ご挨拶、お祝い、接待、謝罪――デキる女が心得ている「手土産」のビジネスマナーとは

挨拶、言葉遣い、身だしなみ、所作――。もう新人ではないという人の中にも、「あれ!? こんな時どうすればいいんだっけ」とビジネスマナーで急に困った経験があるという人は多いのでは? そこで、マナーのプロ・美月あきこさんが皆さんの悩みにキッパリ華麗に回答していきます。
美月あきこ
■FB:https://www.facebook.com/Akiko.Mizuki ■ブログ:http://ameblo.jp/lucille/

今回の質問
取引先への挨拶や、お祝いごと、そしてお詫びなど仕事で手土産を持参する機会があります。でも、いつも何をも持っていくか悩みます。どんなタイミングで、どうやって渡すべきなのかもいつも迷ってしまいます。(営業職/27歳)
プロの回答
早いもので、新年度がもうすぐやってきます。人事異動があったり、新入社員が入ってきたり、クライアントに手土産を持って「ご挨拶」に伺う機会が増えそうですね。
もしも何を手土産にするか悩んだ時は、会社の皆さんに召し上がっていただけるようなお菓子を選ぶのが良いと思います。その際は下記のポイントに注意しましょう。
・切り分けの必要のないもの
・手が汚れないもの
・ニオイが強くないもの
・賞味期限が短くないもの(その日のうちに食べる必要がないもの)
・幼稚な柄が入っていたり、ふざけているイメージを与えないもの
アイスクリームやプリン、ゼリーなども良いタイミングで召し上がっていただければよいのですが、冷蔵庫のスペースや容器の処理などに手を煩わせてしまうこともありますので、控えた方が良いでしょう。
事前にやり取りをしているご担当者の好みを知っている場合には、先方の好きなものを持参し、「お好きだとうかがったので」の一言を添えると好印象です。
また、ご挨拶やお祝いの時だけでなく、「謝罪」をしなければいけないシーンでも、手土産を持っていく習慣がありますね。そういう時は、上質感を感じさせるような和菓子が最適。特にどのお菓子でなくてはいけないという決まりはありませんが、反省の気持ちを表すような、ずっしりと重みのある高級羊羹などは定番です。その際、包装紙もシックな色や柄のものを選ぶこと。日本の場合は、いただきものは相手の目の前では開かないため、包装紙がその場の印象になります。
手土産をお渡しするタイミングですが、ご挨拶などの場合は、会議室に通されてから、担当者への挨拶が終わった後にしましょう。謝罪の場合は、相手に謝罪の言葉を伝え、受け入れていただいた後でお渡しします。ちなみに、接待の場合は相手の手荷物になってしまうので、帰り際にお渡しするとスマートです。
さらに、手土産をお渡しする時に気をつけたいのは、その渡し方。正しいビジネスマナーとしては、手提げなどの紙袋から出した状態で、相手にお渡しします。紙袋は目立たないようにさりげなく折りたたんで持ち帰るのがマナーですが、デザイン性に優れたものや、相手の方の荷物が多い時などは、「紙袋はご入用ですか?」などと伺ってお渡ししても良いでしょう。外でお渡しする場合、袋があったほうが良いので、その場合には出さずに「袋のままで、失礼致します」と一言添えてお渡しすれば丁寧ですね。
手土産の受取を拒否された場合は、謝意を伝えつつ、無理に押し付けないよう先方の意向に従うようにしてOKです。
心のこもった手土産は、ビジネス上の関係を一歩深めてくれるもの。基本的なマナーを抑えて、手土産を活用してみましょう。
取材・文/栗原 千明(編集部)
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