「まだ誰も知らないサービスを、誰もが知るサービスに育てたい」 スタートアップ企業への転職で掴んだ“夢中になれる”仕事/株式会社Experience 中谷 美沙子さん
まだまだ働く女性のロールモデルが少ない現代社会。今、そしてこれから、自分がどのような仕事をしていきたいか悩んでいる女性は多いだろう。そこでこの連載では、さまざまな働く女性たちが「なぜ今の仕事を選んだのか」にフォーカス。自分と同世代の女性たちの仕事観をのぞき、自分の目指すキャリアを明確にするための材料にしてみよう!
今回本連載に登場するのは、スタートアップ企業、株式会社Experienceで働く中谷美沙子さん。「安定志向」で仕事を選ぶ若者が増えていると言われている中、まさにこれから会社の基盤からつくっていく段階にある同社を転職先として選んだ理由は何だったのだろうか?
仕事を通じて最も楽しいと感じた瞬間を振り返ったら
“譲れない2つの条件”が浮かび上がった
これまで、大手企業で営業職や事務職などを経験してきた中谷さん。今回の転職活動では、「やりがいを感じられる仕事ができること」と「会社の主要メンバーになれること」という2つを“譲れない条件”としていたそうだ。
「長く働き続けるなら福利厚生が整っている大手企業の方がいいのではないかと考えていた時期もありました。でも、転職活動を経験して自分にとって本当に大事な条件が明確になってくると、それ以上に大事なのは『仕事のやりがい』だと思うようになってきて。結局のところ、どんな会社で働いても、自分が好きだと思える仕事でなければモチベーション高く続けていくことはできないんですよね。せっかく正社員で転職するんだから、自社の商品やサービスを本気で好きになれる場所がいいなという視点で会社探しをしていました」
さらに、「会社の主要メンバーになりたい」という条件を大切にしたいと思った背景には、カナダでのワーキングホリデーでの経験がある。
「自分がチームの中心になってゼロから何かを立ち上げる面白さを実感できたのは、この時が初めて。何もかも手探りだけど、仲間と知恵を出し合ってゼロからモノづくりをしたり、協力して働く醍醐味は他では味わえません。そういう体験を、もう一度してみたいと思ったんです」
これまで経験してきた仕事を通じて自身が最も“楽しい”と感じられた瞬間を振り返った時、こうした答えに行き着いたのだという。そんな仕事選びの軸を持ち、転職サイトを使って企業を探した結果、中谷さんが出会ったのが株式会社Experienceだった。
「自分だったらもっとこうしたい」
まだ始まっていないサービスに、既に夢中になっている自分がいた
現在Experienceでは、グルメ、ファッション、ビューティー、ヘアー、コスメ、ヘルス、医療、遊び、観光など、生活に関わる情報をマッピングし、全ての情報を一括で得られるようにした『Linkup』というキュレーションサービスの開発を進めており、2017年の秋にリリース予定だ。将来的に中谷さんは、同サービスの営業チームを率いるリーダーのポジションを担う。
「スターティングメンバーになりたい」という思いこそあれど、まだサービスのリリースを控えている段階の会社への入社に、全く戸惑いがなかったわけではなかったそう。しかし、それ以上に同社が描くビジョンに共感するところがあったと中谷さんは誇らしげに語る。
「今でこそ誰もが知っているような人気のウェブサービスやアプリも、最初は『何それ? 本当に流行るの?』と言われるところからスタートしていると思うんですよね。まだ世の中にないものを作ろうとしているのですから、全員から理解が得られなくて当たり前というところもあると思うんです。でも、説明会や面接で当社の経営陣から『Linkup』を通じて世の中にもたらしたい価値や、世の中の変化について話を聞いたら、ワクワクする気持ちがおさまらなくて(笑)! 面接からの帰り道も、自分だったらこのサービスをどう使うかなとか、もっとこういう機能も付けたいなとか、アイデアがいろいろと湧いてきました。まだ始まっていないのに、こんなに夢中になれそうなサービスには出会えることはなかなか無いだろうなと思ったので、直感を大事に、この会社に飛び込んでみようという気持ちになりました」
狭い職域に縛られず、思い掛けない仕事も経験!
チャレンジングな毎日を謳歌する
「スターティングメンバーになるメリットは、担当業務の幅の広さにもある」と中谷さんは言う。
「私は今回、営業職として採用していただきましたが、面接の段階でリーダー職としてのキャリアを期待していると伝えてもらいました。管理職の仕事は私にとっては初のチャレンジ。未経験の私にそこまでチャンスを与えてくれたことが、すごくうれしかった」
また、経営陣の側でサービスの企画・開発を間近で学びながら、一緒に会社をつくっていくメンバーを見つけるための採用業務も任されている。
「狭い職域に縛られず、いろいろな仕事が経験できるのも今のExperienceならではだと思います。滅多にないこのチャンスを大いに楽しんでいますし、自分の今後の成長に活かしたいです」
この秋から本格的に始動する営業活動にも、中谷さんは期待を寄せる。
「『Linkup』を、お客さまにご紹介できる日がすごく待ち遠しい! 今は、『何それ?』って言われちゃうことも多いんですけど、誰もが知るサービスへと自分たちの力で育てていくことができたら、それはすごく誇らしいことだし、かけがえの無い経験になるはずです」
スタートアップ企業独特の高揚感とチャレンジングな毎日を、存分に楽しんでいる中谷さん。経験に裏打ちされた“自分にとって譲れない軸”と、「直感」は、後悔のない転職を支えてくれたようだ。
一言で言えば宿命でしょう。当初のエントリーはバックオフィスのポジションだったのですが、WEB媒体の立ち上げからの営業経験があり、ワーキングホリデーに行くアクティブさも持ち合わせた中谷さん。まさに弊社が理想とする営業リーダー像にぴったりでした。本人にとっても、転職を考えた際に最初に閲覧したのが弊社の求人だったということで、中谷さんが転職する先は弊社のマネージメント職しかないと感じました。
取材・文/朝倉真弓 撮影/赤松洋太
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