「仕事もキャリアもほどほどがいい」女性の転職がうまくいかない理由
これまでのカウンセリング件数は2万件以上! 女性に大人気のキャリアカウンセラー水野順子さんへの連載取材で、長く働き続けたい女性に役立つ転職・キャリアの情報を発信していきます。初めての転職活動に役立つノウハウも盛りだくさん! 長期的な視点で今後のシゴト人生を考える上でも参考にしてくださいね。

仕事がしたくないわけじゃないけれど、バリバリ働いて“仕事ばっかりの生活”は送りたくはない。「そこそこに生活できるくらいの収入が得られれば……」と考えている女性も多いかもしれない。だが、これからは“人生100年時代”とも言われ、「働くこと」をめぐる環境は大きく変化していく。
ほどほどに、そこそこに……このようなワークマインドでいて大丈夫なのだろうか。
キャリアカウンセラーの水野順子さんは、どのような生き方をするにしても、「仕事の成果にこだわる働き方は全員が意識しなければいけない」と話す。
「バリバリ働く」ことは、長時間働くことではない
「バリバリ働く」と聞くと、プライベート返上で「長時間残業や休日出勤も当たり前」「転勤もOK!」とする働き方をイメージしてしまうかもしれない。しかし、水野さんによれば、そういった働き方はもう主流ではなくなっていくという。
「これから先は、限られた時間の中で、最大限の成果を挙げる人が評価されるようになります。だからこそ、もう“何となく会社にいる”だけではお給料も上がっていきません」
実際のところ、国が推進する「働き方改革」の影響を受け、多くの企業が労働時間の短縮化および社員の生産性向上に取り組んでいる。ノー残業デーやプレミアムフライデー、週休3日制度などを取り入れている企業も増えてきた。時間的に“ほどほどに”働きたい女性にとっては、世の中が良い方向にむかっているとも言えるかもしれない。しかし、労働時間が短くなればなるほど、やはり重要になるのは仕事の成果だ。
「今までは、会社に来て長く働いている姿さえ見せれば、年功序列の中で給料も少しずつ伸びていたかもしれません。しかし、これから先はもっとシビアな評価が下されるようになると思います。労働時間は短く、ほどほどに働きたい人こそ成果を出すことには徹底してこだわっていかないといけません」
また、世の中の変化についていけない企業が次々と倒産するなど、雇用環境の変化も著しい。いざという時に「貯金がない」事態を避けるためにも、“給料もほどほどでいいや”とは言っていられない。自分が高く評価される企業に転職するなどしながら、「収入を上げていく意識は持つべき」と水野さんは語る。
何でも“ほどほどに”と思っている人を企業は歓迎しない
“ほどほどに働きたい”という本音を持っている女性はきっと少なくないが、そうはいっても転職時にその想いを採用担当にどう伝えるかは慎重に考えなければいけない。熱意ある人を差し置いて、「仕事はほどほどに……」という人を歓迎して雇いたい企業は滅多にないからだ。
「転職前にはっきりさせておかないといけないのは、何をほどほどにしたいのか、ということです」と水野さんはアドバイスする。
「長時間働きたくない、緊張感のある仕事はイヤ、責任の大きな仕事はしたくない……など、“ほどほどに働きたい”という気持ちを具体的に言い換えてみると何でしょうか? 漠然と考えるのではなく、自分の気持ちを明確にして転職時の優先事項を決めましょう」
「仕事だけが人生じゃない」という考え方が主流の時代だが、そうはいっても人生において仕事が占めるウェイトは大きい。自分にとっての理想のワークスタイルや、キャリアパスを今一度じっくり考えて、いい人生につながる転職を成功させたい。
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【お話を伺った方】
キャリアカウンセラー
水野順子さん
株式会社キャリアコレクション代表取締役、All About女性の転職ガイド。公務員・外資系大手人材サービス会社を経て独立。キャリアカウンセリングや研修・講演を通じ、メンタルケアや人間関係の築き方などを含めた女性のキャリア支援を行っている。過去に20,000人以上へのキャリアカウンセリングと、60,000人以上への講演・研修によるキャリア支援実績がある
■ホームページhttp://www.mizunojunko.com
取材・文/栗原千明(編集部)
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