【例文あり】面接・内定を辞退したいときのメールの書き方を転職のプロが紹介「無言フェードアウトは絶対NGです」
これまでのカウンセリング件数は2万件以上! 女性に大人気のキャリアカウンセラー水野順子さんへの連載取材で、長く働き続けたい女性に役立つ転職・キャリアの情報を発信していきます
中途採用では、限られたポジションをめぐって複数の応募者が集まるため、なかなか内定が出にくいものだ。一般的に、1社内定を取るためには、少なくとも10社の求人に応募することが目安だとも言われている。

しかし、転職者の本音で言えば、「どうしても入社したい」と思えるような志望動機の高い企業は、せいぜい2~3社程度だろう。それゆえに、選考を進める中で、自ら「面接辞退」「内定辞退」をしなければいけないシチュエーションが出てくる。
せっかく機会を与えてくれた企業に“断り”を入れるのは申し訳ない気もしてしまうが、ここはしっかり自分の意思を伝えなければいけないところ。失礼のないように辞退を伝えるにはどうしたらよいのだろうか。キャリアカウンセラーの水野順子さんに聞いた。
「辞退を決めた」時点ですぐ電話・メール連絡を入れよう
水野さんによれば、「どう辞退を伝えればいいか分からない」「断るのが気まずい」といった理由から、採用担当からの連絡を無視したり、無言のままフェードアウトしてしまう転職者もいるそう。
しかし、この対応は企業側に大きな迷惑をかけることになり、「今後の仕事にも悪影響を与えかねない」という。最低限のマナーとして、「面接を辞退する」と決めたらすぐに企業の採用担当に連絡を入れるのが基本だ。

連絡方法は、もし採用担当の電話番号が分かるなら電話がオススメ。重ねてメールもお送りすると尚丁寧だ。電話番号が分からない場合は、メールのみの連絡でもOK。
「選考を受けている会社は今後もどこかで縁があるかもしれません。社会人としての礼儀を守ることが大切です」(水野さん)
例文で見る面接・内定「辞退」の伝え方
では、「辞退」の意思をどう伝えたらよいのだろうか。
「選考辞退の際は、理由を伝える必要はありません。『諸般の事情』と伝えるだけでも大丈夫です。時間を割いて選考の対応をしてくださったことに対しては、お詫びをしっかりしましょう」(水野さん)
次に、丁寧な断り方を、例文で見ていこう。まずは、書類選考が通ったけれど、一次面接を辞退したいときに伝えるべき内容から。
【例文】一次面接辞退メール
お世話になっております。
◯月◯日に面接のお時間を頂戴している〇〇と申します。(※面接日程が決まっていない場合は「貴社の選考を受けさせていただいております◯◯と申します」など)
大変申し訳ございませんが、諸般の都合により、選考を辞退させていただきたくご連絡を差し上げました。
貴重なお時間を割いていただいたにも関わらず、誠に申し訳ございません。末筆ながら、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
次は、一次面接に行って選考通過はしたものの、二次面接は辞退したい場合の例文。
【例文】二次面接以降の辞退メール
お世話になっております。
○月○日に採用面接を受けさせていただいた◯◯と申します。
面接通過のご連絡をいただいておりましたが、諸般の事情により選考を辞退したくご連絡を差し上げました。
貴重なお時間を割いていただいたにも関わらず、誠に申し訳ございません。
末筆ながら、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
また、時には面接の場ですぐに「次の選考に進んでほしい」と打診されることもある。面接を受けた結果「何か違うなあ」と感じても、その場ですぐに断るのはなかなか難しい。少し冷静になって“本当に辞退するのか”判断するためにも、「検討するお時間をいただけますか?」と提案してみてもいいだろう。あるいは、次の面接に進み、気になっていることや「違うかも……」と感じているポイントを解消できるかどうか確認してみるのも一つの手だ。
次は、内定を辞退したい場合の例文を紹介しよう。
【例文】内定辞退メール
お世話になります。この度内定を頂きました○○と申します。
先日は内定のご連絡を頂きありがとうございました。
例①
実は他社からも内定をいただきまして、いろいろと考えましたが、貴社の内定を辞退させていただきたく思いご連絡差し上げました。
例②
内定をいただいてからいろいろ考えましたが、大変申し訳ございませんが、内定辞退をさせていただきたくご連絡いたしました。
お世話になりました○○様をはじめ、貴社に多大なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
末筆ながら貴社益々のご発展をお祈り申し上げます。
選考中の辞退と同様、詳細を伝える必要はない。
一方で、自分が下した決断に本当に誤りがないかどうかを確認するためにも、なぜ自分が「この会社には入社したくない」と思ったのか整理することは非常に大切だ。
辞退するのは簡単だが、一度辞退したらその企業との縁は完全になくなってしまうと心得ておいてほしい。
「内定が出た後に不安や疑問があるのなら、率直にその点を採用担当者に直接確認してみましょう。疑問があるのに『質問する』手間を惜しんで自分の思い込みだけで判断しないこと。
それでも内定を辞退したいならば、できるだけ早く内定辞退の連絡をしてください」(水野さん)
焦りや不安から、“妥協”してでも転職してしまいたいという気持ちになるかもしれないが、自分を騙してする転職は、後悔する日がきっとやってくる。
「またすぐに転職しなきゃ……」ということになれば、企業にとっても自分にとっても痛手だ。
正しく「断る」ことは決して悪いことではない。企業と転職者と、お互いが無駄な時間を過ごして疲弊しないためにも、自分の意思をしっかり固めて転職活動に挑むようにしよう。
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【お話を伺った方】
キャリアカウンセラー
水野順子さん
株式会社キャリアコレクション代表取締役、All About女性の転職ガイド。公務員・外資系大手人材サービス会社を経て独立。キャリアカウンセリングや研修・講演を通じ、メンタルケアや人間関係の築き方などを含めた女性のキャリア支援を行っている。過去に20,000人以上へのキャリアカウンセリングと、60,000人以上への講演・研修によるキャリア支援実績がある
■ホームページhttp://www.mizunojunko.com
取材・文/栗原千明(編集部)
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