コンプレックスから生まれたビジネスが人を笑顔に―20代女性起業家が考える「私が働く理由」とは?【ハヤカワ五味×関口舞×村田あつみ Vol.2】

平成生まれの女性起業家3名による座談会の第2回。それぞれの仕事観について深彫りするために、自身の「働く理由」を円グラフに書いてもらいました。全員に共通したのは「稼ぐこと」への思い。その重要性とは? また苦難を乗り越えたからこそ得られる、サービスヒットの喜びとはどのようなものなのでしょうか。

平成生まれ

写真左:Lip Inc. 
共同創業者/IT起業家 関口舞さん

平成2年生まれ。22歳で起業し、「好きな人と両想いかどうか確認できる」純愛アプリをリリース。2016年始めには写真を通したマッチングアプリ「nine」をリリースし、事前プロモーションにはオバマ大統領夫人やドナルド・トランプを始めとする1500万人が参加。2016年10月には恋人提案サービス「恋人プランナー」をリリースした
写真中央:株式会社ウツワ 代表取締役/ファッションデザイナー
ハヤカワ五味さん

平成7年生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科在学中。高校時代から創作活動を始め、大学生になって胸の小さな女性のためのランジェリーブランド「feast by GOMI HAYAKAWA」を立ち上げ、「品乳ブラ」として一躍有名に。2015年に株式会社ウツワを興し、代表取締役に就任。同年5月にラフォーレにてポップアップ出展を行った
写真右:株式会社ラブグラフ co-founder CCO/WEBクリエイター
村田あつみさん

平成3年生まれ。大学時代初期より「美学生図鑑」などのヒットメディアのデザイン・コーディングを長期にわたり担当。卒業後、リクルートホールディングスに入社。現在は在学中に立ち上げたフォト撮影サービス「Lovegraph(ラブグラフ)」の取締役CCOであり、同時に同サービスのブランディング、マーケティング、デザイン、開発をマルチにこなす女性クリエイターとして活躍している

働くことで得られる心の浄化作用

――前回は皆さんに今の仕事を始めたきっかけを伺いましたが、かなり濃い内容でしたね。ぱっと出てきたアイデアを続けていった結果、それぞれの生きがいになったというのは意外でした。今回は、皆さんに「仕事におけるやりがい」について聞いていこうと思います。

村田 私の場合、人に喜んでもらうことが大きなやりがいになっていますね。カップルの方やその周りの人たち、ご家族たちも喜んでくれているのを見るととても嬉しくなります。

ハヤカワ 私は昔いろいろとコンプレックスがあったのですが、服がそれらを解決してくれたという気持ちがあって……。だから同じように、うちの服のおかげでコンプレックスが解消されたとか、ちょっとでも自信を持って笑顔で過ごせた、みたいなことをお客さまから言ってもらえると、続けてきて良かったな、またやろうって思えますね。

関口 分かります。私はもともとインターネットで人と人をつなげたいという思いはすごく強かったんですけど、それと同時に、引きこもってインターネットに救いを求めていた時期があったんです。あの時の経験がこういう形で今に生きているんだなと思うと、すごく気持ちが救われる。

ハヤカワ 分かります。気持ちが浄化される。

関口 今まで経験してきた辛い出来事も、今となってはいい経験だったのかなと思えるというのがやりがいの一部になっていますね。

円グラフから紐解く、女性起業家たちの「働くワケ」

――皆さんの熱い思いはすごく伝わってきました。今回は、その思いをさらに伝わりやすくするために、やりがいを円グラフにしていただきました。まずは関口さん、この一番多い「ロマン」というのは?

平成生まれ

関口 夢を追いかけたいとか、勝ちたいとか、そういう思いを全部ひっくるめて、「ロマン」という言葉にしてみました。基本的に何かの選択で迷った時には、ロマンがあるほう選ぶようにしているんです。あとは、自分が今までできなかったことができるようになるというのもすごく好き。やっぱり起業するうえでの成長に対するモチベーションの割合はとても大きいと思いますね。

――続いてはハヤカワさん。「快楽」がグラフの大半を占めていますが、どういった意味ですか?

平成生まれ

ハヤカワ どう説明したらいいか難しいんですけど、関口さんの「ロマン」に近いのかもしれません。例えば単純に売上げという意味で数字を増やすのが快楽になったり、お客さまを喜ばすことによって得られる満足感も快楽ですね。また、仕事によっていろんな人に出会えることもそう。残りの「自立」に関しては、単純に収入がいくらかとかいうより、自分の尊厳を大切にしつつ、ちゃんと自分で食べていけるようにという気持ちですね。

――「自立」について、村田さんもすごく共感されたようですね。

平成生まれ

村田 そうですね。私の考える「やりがい」の半数は家族や周りにいる人たちを幸せにしたいという思いがあって、それがグラフで言う「闘志・使命感」。そして10%と記した「収入」の部分は、今五味ちゃんが言ってくれたことと同じような感覚ですね。ご飯を食べるため、家賃払うために自立しなきゃっていう思いが強い。生きるためには絶対必要ですからね。働く上で、ちゃんと稼げるというのはマストだなと思っています。

稼ぐことの難しさを知ったからこそ描ける理想像

――起業家というと「たくさん稼いで、儲けたお金で豪遊する」というようなイメージも世の中にはあるかと思いますが、皆さんにはそういった願望はないんですか?

ハヤカワ 今はお金があったとしても、自分のことより事業のために使うだろうなという気がしています。グラフには「収入」を30%と書きましたが、正直な話、去年一昨年くらいまでは50%くらいだったかなと思います。なぜかと言うと、当時は社員の何人かで会社に泊まり込みをして、キャベツしか食べられないような状況でした。それくらい収入がかつかつだったんです。でも、そういう時は目先の収入ばかりに目がいってしまい、本当にいいものってなかなかできないんですよね。だから自分のためにお金を使うより、本当に良いサービスを生み出すためのお金として使いたい。

関口 正直、私も何にお金を何に使ったらいいかよく分からない。おいしいもの食べるぐらいですかね(笑)。ただ、ビジネスをやっている以上、投資家さんに入れていただいたお金を、どれだけ大きなリターンで返すかっていう部分にはこだわっていきたいと思っています。インターネットサービスって、良いサービスなら必然的に多くの人が使ってくれて、それが売上げや企業価値にもつながってくる。だからこそ大きな売上げを立てて企業価値を増やしていきたい。そこは負けたくないってめちゃくちゃ思いますね。

村田 私も本当にそう思います。

ハヤカワ 結局その物販とかサービスって「売上げ=サンキュー」だと思います。「ありがとう」の還元としてのお金ですからね。

――なるほど。お金が全てではないけど、社会をどれだけ幸せにできたか計るための一つの指標として、どれくらい稼いでいるかも必要ということですね。そういう苦難も乗り越えたからこそ人を笑顔にできるんだ、というのは皆さんからとても感じました。

>>「女の子扱い」「犠牲を払え」には違和感しかない――20代女性起業家3人が世代間ギャップを語る【ハヤカワ五味×関口舞×村田あつみ Vol.3】

※このコンテンツは、2016年にtypeメンバーズパークに掲載された動画を新たに記事化したものです。


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