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AUG/2018

“ひと夏に100人”の体臭を自分の鼻でチェックする!? 知られざる「臭気判定士」の仕事【マンダム 澤田真希さん】

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レア職種で働く女性たちに聞く!
How to find “自分のシゴト”

周囲の人と違う選択をしたとしても、自分がとことん熱中できる仕事に取り組むことができれば、働く女性たちの人生はより豊かなものになっていくはず。この連載では、女性たちが“自分らしい仕事”を見つけ、自分のものにしてくために必要なヒントを、レア職種で活躍する女性たちのインタビューから紐解いていきます

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臭気判定士

マンダム
株式会社マンダム
臭気判定士
澤田真希さん

2008年に、マンダムに新卒で入社。汗を抑えたり、体臭を防ぐ機能を持つデオドラントペーパーやデオドラントロールオンなどの製品開発や香料開発に携わっている。製品の香りや体臭の評価など「におい」に関する仕事を主に担当

体臭を測定する機器があっても、やっぱり「鼻」で嗅ぐのが一番!?

皆さんは、「臭気判定士」というにおいの専門家がいることをご存知でしょうか?

「臭気判定士」は、嗅覚測定を行うための国家資格。本来は悪臭防止法という法律に基づく資格で、工場から発生した臭気の判定などを行いますが、マンダムでは体臭評価に活用しています。

株式会社マンダム 臭気判定士 澤田●●さん 2008年に、マンダムに新卒で入社。汗を抑えたり、体臭を防ぐ機能を持つデオドラントペーパーやデオドラントロールオンなどの製品開発や香料開発に携わる。製品の香りや体臭の評価など「におい」に関する仕事を主に担当

当社には、私を含む、「臭気判定士」が所属する研究チームがあり、人の頭皮やワキなど、部位別に、自分の鼻でにおいを嗅ぎ、そのにおいをプロファイルして技術・商品開発へとつなげているのですが、なぜ“人が実際ににおいを嗅ぐ”必要があるのかと疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

臭気判定
「におい」という目に見えないものをできるだけ正確に評価する作業を行うのが臭気判定士の仕事の難しさ

体臭を測定する機器も実はあるのですが、においに対する「快」「不快」などの人の感覚は、機械だけでは正確に読み取れません。そこで、体臭評価にご協力くださる方に来ていただき、ワキや頭のニオイを直接人の鼻で嗅ぐようにしているというわけです。

私は今、マンダムに入社して10年目。これまでデオドラントペーパーや、デオドラントロールオンなどの製品開発、香料開発に携わってきました。基本的には製品の香料開発がメイン業務ですが、夏の暑い時期になると、体臭の評価の仕事も増えてきます。体臭チェックをする人数は、ひと夏で100人にのぼることも

あるハプニングで痛感した“体臭に悩む”人の気持ち

欧米では、体臭は香水などの強い香りで隠したり、体臭と香水を調和させて自身の香りとしたりする文化がありますが、強い香りを身に纏う習慣があまりない日本においては、体臭に対する悩みは特に深刻です。

体臭評価に協力してくださる被験者の方々の中には、体臭に悩んでいて「効果性の高い製品を出してほしい」という想いから参加してくださる方もいます。そんな方々の悩みを解消する技術を開発したい。においに関する技術革新で、もっと世の中を便利に変えたい。これが私の仕事のモチベーション。自分の仕事の成果が商品というカタチになってアウトプットされることもあり、やりがいも大きいです。

臭気判定
澤田さんが開発に携わった商品の一例

一方で、大変なことももちろんあります。強く印象に残っているのは、“強烈な体臭”を再現したモデル臭を作製した時に起こったハプニング。このモデル臭が自分の髪や服に付着してしまい、私自身が“強烈なにおい”を放つ人になってしまったことがあり、職場や電車でも周りの人にすごく気をつかいました……。この経験によって、体臭を含めた「におい」は目には見えないけれど自分にも周囲にも影響を与えているということをリアルに実感できたように思います。

将来的には機器による分析だけでもにおいの評価が可能になるのかもしれませんが、まだまだ人間の鼻を使わなければ分からないことがたくさんあります。実際に製品を使った人がどのように感じ、どのような感情が芽生えるのか。人の感覚や感性を大切にした製品の開発に、この仕事で貢献できればといつも考えていますね。

「何だか面白そう」という自分の興味を大事に!

マンダム
学生時代は、他人のワキのニオイを嗅ぐ仕事をすることになるなんて夢にも思っていませんでした(笑)。臭気判定士には特に優れた嗅覚が必要なわけではないのですが、私も人よりすごく嗅覚が優れていたというわけでもありません。ただ、「何だか面白そう」という自分の興味を大事に進む道を選んできたら、今の仕事にたどり着いたんです。

人から何と言われようと、「面白そう」と思える気持ちを仕事に対して抱けるかどうか。私にとってはこれが一番大事なこと。極端な話、業務内容が「面白そう」でなくてもいいとも思います。自分が「面白そう」と思える職場環境であったり、同僚であったり、興味のアンテナが働く現場に身をおくことができれば、きっと毎日の仕事が楽しく感じられる。そして、そういう仕事であれば、長く続けていけると思うんです。

では、その“何だか面白そう”と感じるものをどう見つければいいのか。そこに近道はない気がします。今、自分の興味や、やりたいことが分からなくなってしまっている人は、焦らずに、視野を広げてさまざまな情報に触れることを意識してみてはいかがでしょうか。違う仕事をしている人に会ったり、興味のある場所に出向いたり、行動して、実感して、「自分がしっかり納得できるような理解をする」という経験を積んでいくと、だんだん楽しみながらできる仕事が見えてくると思いますよ。

取材・文/栗原千明(編集部)

連載『How to find “自分のシゴト”』の過去記事一覧はこちら

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