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JUL/2020

コロナ禍、キャリア不安を感じたら?「やりたいこと探し」に飛びつくより大切なこと

Woman typeが今年6月に実施したアンケート調査では、「これからのキャリアに不安を感じている」と回答した女性が7割を超えている。

新型コロナウイルスの影響による大手企業の倒産や、冬の賞与カットなど、不況にまつわるニュースが飛び交う中で“キャリア不安”はますます高まっていきそうだ。

キャリア不安を感じている人
2020年6月にWoman typeが実施した20~40代働く女性へのアンケート調査では、「自分のこれからのキャリアに不安を感じますか?」という質問に「はい」と回答した人が7割以上に

実際、キャリアコーチングサービス『ゲキサポ!キャリア』を運営するポジウィル株式会社代表の金井芽衣さんによると、コロナショック以降、同社に相談に来る利用者の数は従来の3倍に増加しているという。

『ゲキサポ!キャリア』の料金は2カ月半で税抜き45万円(キャリア実現プラン 10回75日)。20~30代の女性にとって、決して安い金額ではないにもかかわらず、相談者が増え続けているのはなぜなのだろうか。

「自分なりの正解」が見つけられない女性たち

キャリア不安を感じている人

コロナ禍、キャリア相談に訪れる女性が増えている背景を、金井さんは次のように分析する。

金井さん

企業の倒産などのニュースを目にしたことによって不安感が増し、ライフイベントを含めたキャリアを『しっかり考えなきゃ』と動き始めた方が多いです。

また、在宅勤務によって自分と向き合う時間が増えた影響も大きいと思います。

特に多いのは、冒頭でも述べた通り、「やりたいことが分からない」という相談だ。

金井さん

今はキャリアの選択肢が多過ぎて、自分にとってどれが正しい選択なのか、判断できなくなっている女性が多いと感じます。

ただ安定企業に就職すれば幸せかというとそうではなく、一人一人が「自分なりの正解」を決めなければいけない時代です。

またSNSを見ていると“隣の芝が青い”現象が毎日起きて、何を価値基準に信じたらいいのか、そもそも自分が何をやりたいか、分からなくなるケースも多いです。

「好きなように生きていい時代」といえば聞こえはいいが、なぜ私たちは「自分なりの正解」を見つけられないのか。

金井さんは、「人生の選択軸が、他人軸になっていることが一つの要因ではないか」と指摘する。

金井さん

良い大学を出てほしい。安定した企業や大手企業に入ってほしい……。親や周囲からの期待に応えて進路選択をしてきた女性はきっと多いはずです。

会社選びだけでなく、職業選び、あるいは生き方選びにおいても、自分の好き嫌いや向き不向きを後回しにしてしまっている人も少なくないと思います。

他人の評価に振り回される自分を変えたい……。だから自分の「やりたいこと」を見つけて、幸せになれる人生を選択したい。そう願う女性は多いはずだ。

しかし、そもそも「やりたいこと」は、全ての人に必要なものなのだろうか。

金井さん

「やりたいこと」は、基本的には見つからないものだと思っています。

私自身も、今の仕事は「やるべきこと」だと思うけど「やりたいこと」だからやっているのかと言われたら少し違う気がします。

ですから、「やりたいこと」を無理やり見つけようとするよりも、大事なのは「自分がどう生きたいか」「どう生きれば満たされるのか」を知ることだと思います。

自己分析で「自分の良さ」と「ありたい姿」を見つける

自己分析

同社で事業責任者を務める岡千尋さんは、「自分がどう生きれば満たされるのかは、『自己分析』をすることでクリアになる」と話す。

ただ、「自己分析をする」と言っても、実際何から始めればいいのだろうか。

金井さん

私がオススメするのは、サニー・ハンセンという学者が提唱した「4つのL」を使って現状を把握することです。4つのLとは、Love(人間関係)、Labor(労働)、Ledsure(余暇)、Learning(学習)。このバランスが崩れると人は幸せじゃなくなると言われています。

4つのL

4つのLのうち、どれに比重を置くかは人それぞれでいい。金井さん自身も、それぞれのLにどれぐらい時間をかけているかを定期的にチェックしているという。

金井さん

私は仕事に8~9割の時間を使ってしまいがちなので、定期的に『四つのL』で自分の現在地を確かめて、理想とのギャップを埋めるためにやるべきことをスケジュールに落としこんでいます。

例えば、最近友達と会っていないなと思ったら、その予定を入れたりしますね。

次のステップでは、過去に自分が「心地よい」と感じたことを書き出していく。

岡さん

人生で一番夢中になった経験を書き出します。過去の成功体験や、気持ちが上がった出来事を振り返って、なぜ自分はその瞬間に至るまで頑張れたのかを思い出してみてください。

「心地良い」と感じた経験を深掘りすると、その背景には自分の良さがあることが多いという。中でも注意して見つけてほしいのが、「無意識のうちに継続できていること」だと岡さんは話す。

例えば、頑張らずとも続けられている趣味、部活やサークル活動などもそう。さらに言うと、組織の中でいつも調整役を買って出るとか、ムードメーカーになっているとか、自分が無意識レベルやってきたことにこそ、自分の強みや良さが表れるという。

“隠れた長所”に気付くことが大切な理由を、岡さんはこう説明する。

岡さん

無意識レベルでできることって、自分に向いていることなんです。だからそれを仕事にするとうまくいく方が多い。

自分では“隠れた長所”気付くのが難しいな……と感じる人は、他の人に客観的な意見をもらうといいですよ。

他人の評価に縛られる人生を終えて、“自分軸”で生きるために

自己分析

では、自己分析をして「ありたい姿」をクリアにしたら、その先に取り組むべきことは何だろうか。

岡さん

理想の自分になるために必要なことを洗い出しましょう。例えば、明日にでもすぐ出来そうなことのレベルで『具体的な行動』に落とし込むことをおすすめします。

ただ、やるべきことをリストアップしても、なかなか長続きしないという人も多いだろう。そんな時に有効なのは、シンプルだが、ありたい姿、やるべきことを書き出して常に目に入るところに置いておくことだ。

金井さん

私も、やると決めたことを紙に書いて貼ったり、待ち受けにしたりして実行していくようにしています。「洗濯物溜まってるから干さなきゃ!」くらいの気持ちで、やらずにはいられないような状況にしてしまうのがポイントですね。

また、「できなかったこと」に目を向けるより、「できたこと」に目を向けることが重要だ。

岡さん

少しでも達成できたことがあれば、その都度自分を褒めていくことがやるべきことを継続するコツです。

そもそも、キャリアは流動的なもの。必ずしも計画通りにいくとは限らないからこそ、できなかったこと、予定通りにいかなかったことに落ち込むことはない。

金井さん

常に計画を立てることは、自分のありたい姿を考える習慣を身に付けることにつながります。想定通りには進まないことを前提に、“ありたい姿”になるための計画を見直し続けてみてはいかがでしょうか。

取材・文/一本麻衣 企画・編集/栗原千明(編集部)

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