「働き方改革」って何をどう変えること? グロービスに学ぶ、効率よく働くために明日からできること
日々の仕事に追われると、なかなかじっくり「学ぶ」時間は取れないもの。そこでビジネススクール・グロービスの動画学習サービス「グロービス学び放題」の講師たちに、5分で分かる“ビジネスtips”を教えてもらった!
ビジネススクールで有名なグロービスが展開する、ビジネススキルの動画学習サービス『グロービス学び放題』の講師たちから、働く日々のヒントになるようなtipsを教えてもらうこの連載。
第4回の今回は、グロービス教員として「グロービス学び放題」の「明日からできる働き方改革~ワーク・ハードからワーク・スマートへ~」講座を担当する林恭子さんに、働き方改革のためのTipsを伺った。
「働き方改革」の中、日々の仕事の中で効率を求められるけれども、どのように仕事を進めれば良いのか分からない……。という女性は多いのではないだろうか?
働き方を今後どのように変えていけばいいのか、解説してもらった。
>>第1回目『グロービスが教える「学び」の重要性』
>>第2回目『“学び”に必要な4ステップ』
>>第3回目『クリティカル・シンキング』
今、働き方改革が必要な理由とは?
そもそも、「働き方改革」とは何をどう変えていくことなのだろうか?
これまでの職場は、長時間労働が当たり前。働く時間も場所にも柔軟性がなく、多様性のない職場が多かった。
これからは、効率の良い働き方によって、長時間労働を削減し、大胆なフレックス制度やテレワークを取り入れて柔軟性を高めていく「働き方改革」が求められる。
林さんに、働き方改革のメリットを伺った。
1つ目のメリットは、仕事の効率をよくして長時間労働を削減することで、能力開発に時間を割けること。
「今は人生100年時代と言われていますよね。100歳まで生きるとすると、必然的に人生の中で働く時間も長くなる。70代、80代で仕事を持つことも珍しくなくなるかもしれません。常にテクノロジーなどの変化を捉えつつ、新しい時代に求められる能力開発をしていかないと、80歳で仕事をして経済力を保つというのは難しいと思います。働き方改革をして自分の時間をつくれるようになったら、その時間を能力開発に使えるようになりますよね。そうした自分を成長させるための時間を持ってほしいと思っています。また、新しいことを学んだり、外でネットワークをつくる社員が増えることで、会社の中でもイノベーションが起こりやすくなります。ですから、個人にとっても会社にとってもメリットがあるんですよ」
副業を解禁する企業が増えていく中で、雇用者と労働者の関係性も変化する、と林さんは予測する。
「これからは、高い能力を持つ働く人を、いろいろな会社が奪い合うようになっていくと思います。リモートワークの広がりや、雇用形態の多様化で、能力が高い人は、複数の企業でお仕事ができるようになっていきます。そういう時代が来たときにも、やっぱり声を掛けられる人にならないとあぶれてしまいますよね。学び続けたりネットワークをつくったりして、自分の市場価値を高めることが、より求められる時代になっていきます」
2つ目の理由は、クオリティーオブライフを高められるということ。
「長時間働いてこそ、自分を鍛えることができるという考えを持つ人もまだまだいるかと思いますが、脳科学的には、もうそういう時代は終わっています。必要な休養をとり、いかに覚醒した状態でよいパフォーマンスを出すかというところにエネルギーを注いだ方が建設的だと思いますね。特に私が大切だと考えているのは、質の高い睡眠です。睡眠が足りていないと、脳は飲酒した状態と大差ないという調査結果もあり、ミスの原因にもなってしまいます」
林さん流! 時短のためのTipsとは?
林さん自身は、どのように工夫しているのだろうか。時間短縮のために実践されていることを伺った。
1.仕事を断捨離しよう
限りある時間の中で、タスクの優先順位をつけることは必要不可欠だ。特に責任感が強い女性の場合、「人に迷惑を掛けないように仕事をしたい」という思いから、「あれもやった方がいいかも」「これもやった方がいいのでは」と考えがち。そうしているうちに、仕事は山ほど増えていく。
「断捨離と同じだと思います。仕事の中で、『やった方がいいこと』『絶対やらなくてはいけないこと』の2つに分けて、限りある時間は、『絶対やらなくてはいけないこと』で埋める。残った時間を、『やった方がいいこと』で埋めていくという考え方が必要ですね」
2.ツールを活用しよう
もう一つは、ツールの活用。林さんがよく使っているのが、グーグルのサービスだ。
「リモートワークをしている人とビデオ会議をするときには、例えばグーグルが提供しているスプレッドシート等を活用します。スプレッドシート(グーグルが提供する表計算ソフト)に枠組みを作っておいて、会議をしながら決まったことややるべきを埋めていくというやり方をよくしています。だから議事録はいらないんですよ。『なくても済むもの』は日本企業にたくさんあると思います。ツールを使ってどれだけ時間短縮につなげるか、ということを念頭に置いて日々の仕事を見直せば、いろいろなヒントは見つかるのではないでしょうか」
林さんは、グーグルのカレンダーもよく活用するという。その日に作業する予定のものを、カレンダーに30分刻みで先んじて入れてしまうのだ。自分の作業を可視化して、やるべきことに集中することができるようになったそうだ。
「時間も先に取るようにしています。私の場合、土曜日に出勤する必要が出たら、平日のどこで代休を取るかを決めてスケジュールに入れています。まずは休む時間を確保するということですよね」
グロービス学び放題の講座「明日からできる働き方改革」でも、「働き方改革を始める前にシステムやツールを揃える」「運用ルールを決めて共有する」といったアイディアが出ていた。このような成功事例も参考にしてほしい。
余った時間は何に使う?
こうして工夫して余った時間を、学びに活用するべきだと林さんは語る。
「世の中どうなるか分からないというところを鑑みると、知識を増やしても仕方ない、というところはあるかと思います。ですから、変化があっても、新しいことを自分の中で吸収して構造化し、理解して、意思決定できるようにする。そう考えると、クリティカル・シンキングのような汎用的な力は、いつの時代でも絶対に必要なものなのではないかと思っています」
また、これからビックデータの時代を迎えるに当たって、数字を用いて分析をする「定量分析」も役立つという。
グロービス学び放題では、こうしたポータブル・汎用的なスキルを身につけられる講座を多く提供している。働き方改革で早く帰宅できるようになったら、こうしたツールを活用して学んでみるというのはいかがだろうか。
林さんの講義をもっと見てみたい方は、こちらまで▶︎▶︎▶︎グロービス学び放題
※この記事は姉妹媒体『20’s type』にも掲載されています。