18 JUL/2019

リーダーになり、すぐに自信喪失―― “完璧であること”をやめて気付いたリーダーシップの本質

持つべきものは、頼れるメンター!
「後輩たちへ」

長く仕事は続けていきたい。でも、どんな仕事が自分に合っているのか、そもそもどんな人生を送りたいのか、自分のありたい姿が明確にならない女性も多いはず――。そこでこの連載では、さまざまな人生経験を積んできたメンターたちが、“豊かなキャリア”を描いていくためのヒントを後輩女性に向けて送ります

こんにちは。育キャリカレッジのウィメンズキャリア メンターの櫻木友紀です。

前回のコラムでは、管理職は特別ではない! ということをお伝えしました。今回は「リーダー×自信」について、働く女性の多くが悩む事例を2つ、明日から使えるTipsも交えてお伝えしていきたいと思っています。

リーダーは業務知識が豊富でなければダメ?

リーダー

私がメンタリングをする際、悩んでいる女性に「リーダーに必要な要素」を聞くと、「仕事ができて、人柄的にも優れていて、知識も豊富で……」とまるで“超人”レベルの回答が返ってくることがよくあります。

皆さんはいかがでしょうか? 自分がリーダーになるなら、「すべて知っていなければ」「すべての仕事を完璧にこなさなければ」と思ってしまっていませんか?

私もかつてリーダーになったばかりの頃は、自分の知識不足を恥ずかしく感じたり、何事も完璧に出来ない自分に自信を無くしたりしていました。でも、ふと、「何もかも追い求め過ぎなのかも」と思い直し、「チームのメンバーが自分に求めていることは何だろう?」と立ち止まって考えた瞬間がありました。

冷静に考えてみて行き着いたのは、メンバーは私に「聞いたことに、何でも答えてくれる存在」であることは求めていないということ。それよりは、「チーム全体の動きを理解して見守ること」や「経営目線・顧客目線で進むべき方向を示すこと」「メンバーの士気を高めるような工夫をすること」を求めているのではないかと思いました。

それからは、知識面で分からないところは素直に認め、人に頼ることも覚えましたし、自分が本来やるべきことに集中できるようになりました。

子育て中の女性は、リーダーにはなれない?

また、ご相談者のワーキングマザーの中には、「急にお休みしたりしなければいけないことがあるから、そういう人がリーダーにならない方がいいのでは?」と心配する方もいらっしゃいます。母としてどうあるべきかという考えに縛られてしまうこともあり、自分がどうしたいのか、本心が分からなくなってしまう女性も多いようです。

私はワーキングマザーを部下に持つ管理職の方とお会いする機会も多いのですが、彼/彼女たちは、「まさか自分の部下がそんなことを心配していたなんて思わなかった」とよく口にします。つまり、部下の本心がよく分からないので、どうサポートしたらいいのか分からないというのです。

皆さんは自分の上司に、やってみたいことや、どんな成長がしたいか、きちんと伝えていますか? 「察してくれよ」と思わずに、言葉にして伝えることって非常に大事ですただし、愚痴・押しつけではないことがポイント)。変化は自分で起こすもの。そして、変化を起こすのは行動だと思います。

「リーダーにならない?」
過去の実績が評価されるのは非常に誇らしいこと

ここまで、リーダーとは“完璧な存在”でなくてもいいということをお伝えしてきました。企業、組織、チームごとに求められるリーダー像があり、リーダーの姿に正解はないのです。

では、もし、あなたが近い未来にリーダーポジションを打診されたら、どうでしょうか?

それは、あなたのこれまでの仕事ぶりや実績を評価されたからこそ、リーダーに任命されたのです。誇らしいではないですか! 誰にも分からない将来を案じて不安になるより、過去の実績を評価されたことにもっと自信を持っていいと思います。

もし、自分の視野が狭くなっているなと感じた時や、どうしようもない行き詰りを感じて、我慢することに必死になっていることとに気づいた時は、利害関係のない、ちょっと先を行くメンターにぜひ話をしてみてください。ちょっと違う視点や、明るい未来が見えるかもしれません。この連載を最後まで読んでくださったあなたを、私は心から応援しています!

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育キャリカレッジ

【この記事を書いたメンター】

櫻木友紀さん
育キャリカレッジ公式メンター ウィメンズキャリアメンター認定講師

製薬業界で管理職等を経験した後、現在は育キャリカレッジのウィメンズキャリアメンターとして、働く女性のキャリア構築の伴走をしている。キャリアコンサルタント、研修講師としても多方面で活躍中。帰国子女でもあり、その経験を活かして外国人女性の社外メンターにもなっている。高3男子の母

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