コロナ禍、「会社嫌い」になった人が約3割! 働く女性をドン引きさせた企業の対応とは【100名アンケート】

私たちの日常を一変させたコロナショック。その影響はあらゆる業界に及び、多くの企業が縮小営業への切り替えや、リモートワークの導入といった対応を余儀なくされました。
さらに、混乱を極めた緊急事態宣言の発令前後、SNSでは「うちの会社はリモートワークをさせてくれない」「社員を大事にしていない」などの職場に対する不満の声も目立つように。
実際、自分が働いている会社がコロナ禍の対応で下した判断に、不安を覚えた女性も多かったのではないでしょうか?
そこで今回は、コロナショックを経て働く女性たちの会社愛がどう変わったのか、気持ちの変化にどう対処したのか、20~30代中心の女性100名に聞いてみました。
Q.1 コロナショック前後で、自分が働いている会社に対する愛着に変化はありましたか?

なんと、25%の人が現在の勤め先を「より嫌いになった」と回答。コロナショックによって“会社愛”が失われた人は少なくなかったようです。
一方で、「より好きになった」と回答している人は16%という結果に。両者の違いはどこにあったのでしょうか?
Q.2 「より嫌いになった」「より好きになった」と回答した理由を教えてください。
はじめに、「より嫌いになった」と回答した人の理由を見ていきましょう。
・無駄な経費は多くあるのに、真っ先にリストラで人件費削減を行ったので、社員やパートなどの労働者を大切にしていないと思ったから(Webデザイナー、データ入力/29歳)
・社員のことは後回しな感じを受けたから。いつまでという期限のない減給、賞与カットが行われているから(一般事務/27歳)
・緊急事態宣言が出ても出張を命じられたり、かと思えば休業になったり、会社の焦りを直に感じてしまいました(販売サービス/29歳)
・対応がすべて後手になり、出社しないといけない社員と出社しなくてもよい社員(持病・家族構成・通勤方法など)で仕事量がかなり不公平になった(法務事務/32歳)
・緊急事態宣言が出ても、対応が変わらなかったこと。体調が悪い社員がいても、人手不足のため、その人を無理に出勤させているのを見て、心配になりました(飼育員/27歳)
・テレワークをしていいのかどうかの指示が何もなかったので、出勤していたが、気づくと周りの教員は勝手にテレワークを始めていた。緊急事態宣言が出てからも、働き方についての連絡は一切なかったので、疑問に感じた(大学教員/36歳)
・中国との取引があり、日本でコロナが広まる前から、製品の入荷が大幅に遅れ、業務が混乱していた。それにも関わらず、上司からは全く指示が無かった。(中略)会社が1番大切だということ、お客様のことさえ優先順位が低いことが、コロナ禍によって、より明らかになったので(営業/28歳)
・マスクの着用やアルコール等の設置もなく、社長本人が飲み屋街に出歩くなどの行為をしており、危機感もなければ従業員に対しての心配や対策を一切しなかったので(事務員/26歳)
次に、「より好きになった」と回答した人の理由がこちらです。
・コロナの蔓延によって客足が遠のくなかで、新たな戦略を打ち出すなど、経営が傾かないように対策をしっかりして、従業員を失業から守ってくれたから(調理師/35歳)
・すぐに休業対応やテレワーク対応をしてくれ、「給与、賞与はいままで通り出すので安心してくれ」とメールがきた(事務員/28歳)
・感染対策や会社の方針を迅速に発表し、自宅待機の際もしっかり給与支給があったから(一般事務/37歳)
・会社がスタッフの安全を考え、空気清浄機や手袋などを早い段階で買ってくれた(金融窓口業務/33歳)
・国が緊急事態宣言を出す前に会社として緊急事態宣言を発令し、テレワークを推奨してくれた。未就学児の子供がいるため、保育園が休園になってしまうと通勤できない状況だったのでとても安心した(一般事務/34歳)
・もともとリモートワークを取り入れていたので、スムーズにリモートワークに切り替わった。お子さんのいる家庭は特に配慮されていたので、これから出産する予定なのでこういった対応には安心できた(一般事務/33歳)
こうして「より嫌いになった」派と「より好きになった」派の声を比べてみると、有事の際に会社が下す決断の早さや、従業員を守ろうとする姿勢の有無、他者への思いやりを上司や経営者から感じられたかどうかが、働く女性たちの“会社愛”を左右する重要な要因になっていたことが分かります。
では、今の勤め先への“会社愛”が冷めてしまった女性たちは、その後どのような行動をとったのでしょうか。
コロナ禍、中途採用をストップする企業も増えていましたが、実際に転職活動へと踏み切った女性はどれくらいいたのでしょうか?
Q.3 「より嫌いになった」を選んだ方に伺います。より嫌いになった結果、転職活動を始めましたか?

実際に転職活動を行った人は20%、すでに転職した人は4%にとどまりましたが、68%もの女性たちがコロナショックをきっかけに転職を検討し始めたようです。
では、会社愛が冷めてしまった女性たちが、転職先に求める条件とは?
次に転職するなら何を重視するのか、聞いてみました。
・リモートワークと出社を併用できる企業。コロナがあってから、オフィスに行って仕事をする意味を考えさせられた。また、時差出勤やコアタイムを導入しているかも大切だと思うようになった(営業企画/26歳)
・在宅ワークを積極的に取り入れている会社にとても魅力を感じます。保守的な会社より、変革を求める会社を選びたいと思っています(経理、労務、総務/37歳)
・柔軟な働き方ができる会社。緊急事態のときも全体を把握して的確に指示をしてくれる会社(飲食業/32歳)
・社員の安全を一番に考えてくれる会社がいい。コロナだけでなく台風のときなどは無理して出勤せず自宅でテレワークが選べるなど柔軟な対応をしてくれたら嬉しい(一般事務/29歳)
・世間体よりも社員を大切にしてくれる会社。ただの駒ではなく、会社に大切にされていると思うとより一層仕事に打ち込み、会社の利益に還元したいと思うから(Webデザイナー、データ入力/29歳)
・経営者が社員のことを第一に考えて行動をしてくれる会社にとても魅力を感じます(一般事務/38歳)
・社会情勢に応じて、利益だけに捉われるのではなく働く従業員の気持ちとお客様を大切にできる行動をとれる会社員、より安心できると感じるから(営業/31歳)
・経営者や上の立場の人間に「判断力」がある会社(Webデザイナー、データ入力/29歳)
・従業員が会社の代表に希望を伝えやすい環境の会社が良い。何か不満があっても言えないと、改善される余地がないので辞めるしかない(会計、税務/36歳)
・尊敬できる上司の下で、働いていきたいと思っています。また、自分の魅力を十分に理解をしてくれる会社です(一般事務/25歳)
・社会情勢の変化によって会社の存続が危うくなっても、経営方針を柔軟に変更して利益を生み出し続ける企業で働きたい(調理師/35歳)
・何かあった時にすぐに動きが取れるような、フットワークが良く、柔軟な働き方ができる会社が良いと思います。今後も同じようなことが起こっても、今回のことを活かして、社員の安全を一番に考えてほしいと思います(秘書/36歳)
・社員の意見を取り入れながら、指揮を執ってくれる経営者や上司のいる会社(大学教員/36歳)
・時差出勤やテレワークなど、柔軟な働き方ができ、今回のようなことがあっても従業員の生活を保障してくれる会社。そうでないと生活に困窮して大変困るから(経理/36歳)
・今後も成長していく会社で、時代によって働き方を変えられる柔軟性をもっている会社が魅力的(経理/32歳)
・これからの時代にも安定した成長が望めて、且つ時代の変化に柔軟に対応できるような会社に勤めたいと思います(営業事務/38歳)
・リモートワークなど、柔軟な働き方が出来る会社はもちろんのこと、専門的な知識、技術を磨き続けることができる会社。自分の市場価値を高めていきたいから(一般事務/28歳)
・単純業務だけではなく、少しずつ発展的な業務に取り組むことができ自分の能力を伸ばせるような会社(経理/28歳)
コロナショックを経て、リモートワークやフレックスタイム制といった働き方を導入している会社への注目が高まっていることが分かります。
また、不安定な時代だからこそ、自身のビジネススキル向上が望める会社で働きたいと回答した人が多かったことも印象的でした。
今回の調査から、68%の女性たちが現在転職を検討しているという結果が出ていますが、中には「こんな状況下で転職なんてできるの?」と不安に感じている方も多いはず。
そんな方におすすめな記事をピックアップしました!ぜひ参考にしてみてください。
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【アンケート調査概要】
●調査方法:20~45歳の女性へのWebアンケート(クラウドワークスにて)
●調査期間:2020年6月11日~17日
●有効回答者数:100名
『働く女の本音白書』の過去記事一覧はこちら
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