カップルサポートのプロ「プリマリタルカウンセラー」に聞く、結婚前にパートナーと話し合うべきこと
この連載では、さまざまな人生経験を積んできた『Mentor For』のメンターたちが、“豊かなキャリア”を描いていくためのヒントを後輩女性に向けて送ります
読者の皆さん、はじめまして。『Mentor For』公式メンターの四方結花です。私は某外資系企業に長年勤めていましたが、同じ会社を3回辞めたという経験があります。
人生に訪れるライフイベント、想定外の展開。その都度、キャリアもライフも大切にしたい!という思いで自分なりに納得して人生の選択をしてきました。
また、公式メンターとしてだけではなく、結婚前のカップルの幸せな人生をサポートする“プリマリタルカウンセラー”としての資格も持っています。
今回は、結婚前に多くの女性が多かれ少なかれ抱えていらっしゃる不安について、人生の先輩、つまりメンターとして、お答えしたいと思います。
先輩に聞きたい!今回の相談内容
「結婚前に絶対確認すべきことって?」
30歳を目前に、今のパートナーとの結婚を控えています。ですが、お互いのキャリア観や人生観について、きちんと話したことがないと気付きました。
私は結婚・出産後も長く働き続けたいと思っているのですが、彼がどう考えているのか分かりません。話し合った方が良いとも思うのですが、結婚直前に価値観の違いが発覚したら……と思うとこわくて切り出せません。
今のうちに、「これは絶対に確認しておいた方がいい」ということはありますか?
まず、Cさん、人生のパートナーと出会い、ご結婚を決意されたこと、本当におめでとうございます。これからのお2人の結婚生活が、豊かで充実した素晴らしいものになりますよう願っています。
そして、Cさんもすでに気付かれている通り、これからの長い人生を一緒に歩んでいこうと思えるパートナーに出会えたからこそ、結婚前にちゃんとお互いの考えや大切なことを話し合っておくことはとても重要なのです。

日本では結婚するカップルの3分の1が離婚をし、そのうちの3分の1が結婚5年以内の早期離婚という現状があります。
結婚してから、「こんなはずじゃなかった!」と気付いて早々と関係を解消する人も多いということですね。
結婚するときは誰でもパートナーとの結婚生活に希望を抱き、幸せな未来をイメージしているはず。
でも、結婚を控えた幸せムードの中、わざわざ結婚後の現実的な問題など話しづらい、話してもパートナーが自分と違う考えだったら怖い、機嫌を損ねるのではないか、いっそ知らない方が楽、不安な部分は少しあるけれど結婚したらどうにかなるだろう、とちゃんと話し合わないまま結婚生活に飛び込む方もいらっしゃるのではないでしょうか?
うまくいけばラッキーですが、そうでなければ、お互いの考えのズレから、パートナーとの関係が悪化したり、信頼を失ったり、その結果、「結婚なんてこんなものだ」と自分らしく生きることを諦めてしまったり、「もう、一緒に生活していけない」という気持ちになったり、後々お互いが辛い思いをすることもあります。
そういう私は、偉そうなことは言えないのですが、付き合ってちょうど6か月の時に夫の海外赴任が決まって2週間で電撃入籍。結婚への準備も心構えもないままの見切り発車のような状態でした。やっと好きな仕事に就いたばかり、キャリアの入り口に立ったところでした。
でも、自分の中では「一緒に居たい!」という気持ちの方が圧倒的だったので、なんの迷いも後悔もなく納得して1度目の退社をします。若かった(当時24歳)こと、35年前はインターネットもなく、2年の遠距離は選択肢としてなかったこともあるのかもしれません。しかし結果、35年経った今も同じ夫と一緒に暮らしているので、私にとっては、当時の決断は良いものだったと言えます。
結婚前の話し合いが大切な3つの理由
Cさんがご結婚を前に少し不安を感じていて、自分を大切に、そして、パートナーと未来の家族を大切に思うなら、ぜひ思い切って思ったことを全て話してみてください。
パートナーもあなたとの結婚生活を真剣に考えているなら、きっと前向きに話してくれるでしょう。そして、この話し合いをオススメするには理由があります。

一つ目は、「自分自身」を理解できるということ。Cさんご自身の結婚観だけではなく、人生で大切にしていることも見えてきます。
結婚しようと思った理由、結婚に対するイメージ、結婚に求めるもの、結婚に対する不安や心配事を通じて、自分自身のことを改めて整理して考える良い機会になります。
二つ目は、「パートナー」について理解できるということ。彼の結婚に対する考えや、人生で大切にしていることは何でしょうか?
自分のことだけではなく、パートナーの考えも尊重し、サポートしあえる夫婦になるために、相手のことも認め、誠実に向き合うことは大切です。
三つ目は、「夫婦」ということについて理解ができるということ。お互いがお互いをより深く理解し、違いも知ることによって、サポートし合いながら、時に折り合いも付けながら、二人で生きていくという前向きなイメージができるでしょう。
ゴールはどちらかが我慢をすることではなく、お互いが幸せになることです。
結婚観・仕事観・親との関係性……前向きに話し合うために押さえておきたいポイント
では、どんなことを話し合えばいいのでしょう? 結婚に対する考え、人生の優先順位、大切なこと、価値観は人それぞれです。その中で、いくつか結婚前に話し合っておきたい事項をリストアップしてみます。
条件的なことばかりではなく、結婚やパートナーに対する考えや思いなども話し合えるときっと楽しく前向きな時間になると思います。

【1】結婚観・理想の夫婦像
結婚に対して抱いているイメージ、大切にしたいと思っていること、どんな夫婦になりたいか?などを、お互いに話し合ってみましょう。それぞれの価値観や人生の優先順位がより深く理解できます。
【2】お互いの長所・尊敬できるところ
結婚をしようと決めたのですから、それぞれパートナーの良いところ、好きなところ、尊敬できるところがあるはず。それを、話し合ってみると、お互いの大切さを再認識して、結婚生活をサポートし合いながらスタートできる自信が持てます。
【3】仕事観
自分の人生の中での仕事の位置付け、重要性、将来的な働き方のイメージなどを話しておくことは重要です。仕事もあなたの人生の一部であることが多いからです。キャリアもライフも充実させるために、パートナーの理解と応援、協力は不可欠です。夫婦とも働く場合は、家事分担についても話し合っておくことも大切です。
【4】金銭感覚
お金の使い方は人によって価値観の分かれるところです。金銭感覚があまりにずれていると、ストレスを感じることもあります。
どちらが家計を担うか、どちらがお財布を管理するか、2人で生活費の分担をしながら生活するか、などの基本方針や役割分担も話し合っておくといいですね。
【5】家族や子育てのイメージ
将来的な家族のイメージ、その後の生活のイメージを共有してみましょう。子どもがいる生活になった場合、子育てに対する考え方、妻が仕事を続けるとしたら、どういうライフスタイルになるのか、夫が子育てにどう関わるか?などもイメージしてみましょう。
【6】双方の親との関係
それぞれ、親との関係性や距離は違うと思います。夫婦が基本ユニットであって、それぞれの実家と良い関係を保てるのが理想ですが、実家との距離感が近く、依存が大きすぎるのは、後々問題になることも。お互いの親に対する気持ちを話し合っておくのもいいでしょう。
【7】その他、結婚生活に対する心配事
住む場所や、親戚や友人との付き合い方、それぞれの一人時間の重要性、どうしても辞めて欲しいこと、など。
夫婦間の考えの違いはあって然るべき。大切なのは、理解を深め合うこと
パートナーと話した結果、価値観や考え方が異なっていたり、今まで知らなかったパートナーの一面が見えたり、という発見があるかもしれません。
でも、不安に思わないでください。結婚を考え直すこともよっぽどのことがない限り不要です。男女の違い、育った環境の違い、性格の違いなどから、夫婦間に考えの違いがあるのは当たり前なのです。全て同じである必要もありません。

大切なことは、自分を知り、相手を知り、違いを知ること。
考えが違う部分に関しては、なぜ、そう思うのか、お互いどう歩み寄れるのか?を建設的に話し合い、擦り合わせておくことも重要です。
これは結婚生活だけではなく、仕事の同僚や上司、部下との関係にも通じることです。私はメンターとして、職場での人間関係、特に上司との関係に悩んでいる方のご相談を受けることもあります。
そんな方には、人それぞれ性格も、仕事に対する姿勢も、得意分野も違うことを前提に、相手が受け入れやすいコミュニケーションを心がけて、自分の考えを思い切って伝えてみては?とアドバイスをします。
その結果、自分の知らなかった上司の一面がわかり、関係性が改善して仕事がしやすくなったというケースもありました。特に男性は女性と違い、言わないとわからないのです。逆に言えば、言ったら案外素直に聞いてくれるのです。
これは、35年に及ぶ家庭生活にも応用できていますし、逆に、家庭から学んだことが、キャリアにも役に立っています。
以上、結婚に向かうにあたって、話し合うメリットと、話し合うべきポイントを書いてきました。
結婚生活は、長い旅路です。お互いを大切に思い、問題が生じた時には、誠実に向き合って、自分が相手のために何ができるか?を考えること。お互いが最高の理解者であり、サポーターであり、対等なコミュニケーションが取れる2人になってほしいと願っています。
かけがえのないパートナーに巡り会えた幸せに感謝して、お2人で力を合わせて末長くお幸せになってほしいと願っています。

【この記事を書いた人】
四方結花
「Mentor For」公式メンター 外資系消費財メーカーのマーケティング部門で長年にわたり広告制作に携わる。同じ会社を3回出入りした経験あり。現在は、株式会社conconcom 代表。メンターとしてだけではなく、プリマリタルカウンセラー、研修講師、広告企画制作コンサルティングなどの活動もしている。それぞれの女性が納得のいく豊かなキャリアとライフを自ら実現するためのサポートをライフワークとする。 一児の母、孫一人
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