「カスハラ防止条例」制定の裏側で…女性たちが職場で経験した恐怖のカスハラ被害を激白

いま話題のカスタマーハラスメント、通称カスハラ。

深刻化するカスハラ問題への対応として、2024年10月4日、「東京都カスタマーハラスメント防止条例」(カスハラ防止条例)が制定され、2025年4月1日から施行されることになりました。

接客・販売経験者の女性たちがカスハラ被害を激白

顧客の立場を利用した理不尽すぎるクレームや、悪質な言いがかり……。

「お客さまとて許せぬ!」と言いたくなるような、カスハラにあい、困らされた経験がある人は多いかもしれません。

そこで今回は、接客・販売などのサービス業で働いたことのある20〜30代女性に、過去に受けたカスハラや、モンスターカスタマーへの対応策について聞いてみました。

Q.1 あなたはカスハラをされた経験がありますか?

接客・販売経験者の女性たちがカスハラ被害を激白

はじめに過去にカスハラにあった経験があるかを聞くと、約65%の人が「ある」と回答。多くの女性が、モンスターカスタマーに遭遇したことがあるようです。

では、どんなカスハラをされたのでしょうか。 回答者から寄せられたエピソードを見てみましょう。

【早くお帰りください】
「預かることができないと言っている荷物を預けようとしてくる。フロントにずっと居座って話しかけてくるため仕事が進まない」(29歳/ホテルフロント)

「閉店間際の店内に居座って退店を願うと支離滅裂な文句を言ってきたり、ラストオーダーを過ぎてから店にやってきて『入れろ』と騒いだりする人がいました」(25歳/飲食業)

【そんなことで怒鳴らなくても……】
「新人がレジのミスをし、謝りに行き確認をしていると、突然怒鳴り始めた」(28歳/販売)

「目があったお客さまに会釈したら、お客さまが『こんにちは』と言い、さらにその後『店員側からあいさつをちゃんとすべきじゃないの!』とキレ出した」(26歳/接客業)

【敵意むき出し】
「レジで対応したら、『あの店員ヤダわ』『なんでいつもの人(お気に入りの店員)がいないの』と私に聞こえるように騒ぎだした」(31歳/接客業)

「領収書の宛名を別の紙に書いてほしいと依頼すると『こんなこともわからないのかおおバカ野郎』と叫んできた」(30歳/販売)

「調剤薬局でレジをしていたときに患者さんが待ち時間の長さに激怒し、私のいる受付を蹴っ飛ばしてきました」(27歳/事務)

【食べましたよね?】
「ピザ屋のアルバイトをしていた時、『こんな冷めたピザが食えるか! 無料にしろ』とお渡ししたばかりのピザを床に投げつけてきた人がいた」(26歳/接客業)

「飲食店で働いていた時、『ニンジンがかたい』と言いがかりをつけ、完食しているのにも関わらず、『タダにしろ!』と大声を張り上げてきた人がいました」(29歳/営業)

【わがまま言わないで】
「自分が欲しい商品が完売して手に入らなかった時に(予約のできない商品)、店内で罵声を浴びせ、本部にもクレームを入れ、消費者センターに訴えた人がいた」(26歳/接客業)

「金融機関の窓口に勤めていた時に、出金の際の本人確認を求めた所キレられました。本人確認をされるのが嫌なら、一生タンス貯金しておけば? と思いました」(29歳/営業事務)

「エビを使った商品があり注意事項にも殻が入ってしまう場合があると記載しているのですが、実際に殻が入っていたお客さまが『書いてあったって入っているはずないだろ! 訴えてやる』と店中に響く声で叫んでいた」(30歳/接客業)

【女をなめてるし許せない】
「オーダーを取りに行ったら、いきなり私の手を触ってきた。その後は男性店員に対応してもらったが、お帰りになるときに私の方を指さして『使えないクソ女が!』と言われた」(28歳/飲食業)

「ダイニングバーのホールで接客をしていたときに、『隣に座ってほしい』『お酒を注いでほしい』など、キャバクラ対応を求められた」(33歳/事務)

【せこすぎ案件】
「チェーンのカフェで働いていた時に、1日に何回も来店しては、試飲用のドリンクを何杯も飲み、氷をくれ、水をくれと何も頼まないのに要求し続けてくる人がいた。しかも、一度相手をすると自分のことを話し出してとまらない」(31歳/介護士)

逆切れされたり、キャバクラ対応を求められたり……理不尽の嵐! 回答者への同情を禁じ得ない、カスハラ経験談が続々と寄せられました。

接客・販売経験者の女性たちがカスハラ被害を激白

また、一度きりのことなら受け流せるケースもありますが、中には何度もお店に来たり、電話を掛けてきたり、度々現れるモンスターカスタマーも。

職場で被害にあわないために、女性たちはどんな対策をとったのでしょうか。

Q.2 カスハラ対策を何か講じましたか?

接客・販売経験者の女性たちがカスハラ被害を激白

モンスターカスタマーに対抗すべく、策を打ったことがある女性は、カスハラ経験者のうち約52%という結果に。

では、どんな対策を講じたのでしょうか。

【心を無にして話を聞く】
「社員さんに相談して、テキトーに流そうということになった」(27歳/接客業)

「取りあえず共感してあいづちを打てば『聞いているんだな』と思われるので、それで満足させて帰らせるようにした」(30歳/販売)

【上司をフル活用&対応できる人が接客する】
「私を個人攻撃してくるタイプのお客さまだったので、店長に相談し、その客の席のオーダーにはいかなくてもいいようにしてもらった」(29歳/飲食業)

「上長に相談し、私めあてで電話してくる人がいたら『彼女は休職した』と伝えてもらい、別の人が出るようになった」(29歳/カスタマーサポート)

「上司に協力を仰いで、モンスターが来たら 上司に対応をしてもらえるようにした」(28歳/接客業)

「接客の際は、必ず男性社員が横につくようにしてもらった。次第に相手も罵倒しにくくなったのか店に来なくなった」」(27歳/接客業)

「店長に対応を頼んだ。男性には強く出ないので解決した 警察に電話をして、仲介してもらった」(29歳/接客業)

【出禁&110】
「次の来店時に店長に来てもらい、警察を呼ぶと言ったら帰っていった」(24歳/接客業)

「店長に話して、お客さんに注意してもらいましたが、それでも迷惑行為をやめなかったのでお店を出禁にしてもらいました。そして近隣店舗にも情報を共有し、注意喚起をした」(26歳/販売)

【毅然(きぜん)とした態度で】
「 こちらが弱腰だと相手がつけあがるので、毅然とした態度で挑むようにしようと職場全体で決めた」(35歳/営業)

「強気で対応、はっきりと話す。それだけで相手もひるんで帰ることがある」(24歳/接客業)

今回寄せられたコメントを見ると、上司に報告して店舗全体で対応を決めて職場で連携をとるようにした人が目立ちます。

また、モンスターカスタマーをますますつけあがらせないように、チーム一丸となって毅然とした対応を心掛けるようにしたという人も多いようです。

いずれにしても、仕事で困ったときには「自分だけの問題にしない」「一人でどうにかしようとしない」ことが大切ですね!


【調査概要】
●調査方法:20~39歳の女性へのWebアンケート(クラウドワークス)
●調査期間:2023年1月26日~2月1日
●有効回答者数:99名

文/Woman type編集部

※2023年4月4日に掲載した記事を一部修正して更新しています