キーワードは男女平等!? 働く女性が考える「女性に優しい会社」の条件
女性活用が叫ばれるようになり、最近では「女性に優しい会社」というフレーズをよく耳にします。ワーキングマザーを支援するための制度を作ったり、女性管理職の割合を引き上げる努力をするなど、企業によってさまざまな取組みがなされている昨今。当の女性自身は、どのような会社を「女性に優しい」と感じているのでしょうか。
会社員として働く女性158名に、「あなたが今働いている会社は、“女性に優しい会社”だと思いますか?」という質問をしたところ、「思う」と答える人が半数以下という結果になりました。世間的には女性活用が注目されているものの、理想的な環境にはまだ追いついていないのが現状のよう。
「自分が働いている会社は“女性に優しい会社”だと思う」理由を聞いてみると、「ワーキングマザーがいるから」と答えた人が6割を超えました。そして「産育休の制度が整えられているから」「女性がたくさん働いているから」「ワーキングマザーのサポート制度があるから」という意見が続きます。働く上で「出産・育児があっても働ける環境」の整備がされているかどうかは大きなポイントのようですね。
一方、「今働いている会社は、“女性に優しい会社”だと思わない」と答えた人にもその理由を聞いてみると、一番多かった意見は「経営層が男性ばかりだから」。そして2位以降は、「産育休の制度が整えられていない」、「残業や休日労働が多い」、「ワーキングマザーのサポート体制がない」と制度面の回答が続きます。
こうした仕組みの舵取りをするのが経営者であることを考えると、「経営層が男性ばかりだから」が1位なのもうなずけます。
最後に、働く女性たちが思う“女性に優しい会社”の条件を探るべく、どんな会社を“女性に優しい“と思うのか、聞いてみました。
「産休や育休が取りやすく、保育園の補助費用が出たり、子供が小さいうちは時短勤務ができたり、ワーキングマザーに手厚い会社」(31歳/一般事務)
「妊娠中も体調の関係で急遽お休みせざるをえないこともあるので、肩身の狭い思いをしないよう在宅ワーク制度を導入するなど工夫してほしい」(30歳/未就業)
【男女関係なく柔軟な働き方】
「ワーキングマザーを特別扱いするわけではなく、子供を持つ家庭の男女の社員に対し、臨機応変に対応してくれる会社」(28歳/技術関連職)
「給与・仕事内容・教育・評価が男女平等で、極端な長残業などがない続けやすい環境であること」(28歳/技術関連職)
「男女は関係なく、それぞれの場合に応じて柔軟に勤務体制や仕事の内容を調整してくれる会社。あえて女性にだけ優しくする会社は不公平感が出て、結局誰も幸せになれない」(32歳/システム開発)
【公正な評価と仕事内容】
「性別に関係なく公正な人事評価がなされる会社」(31歳/営業関連職)
「就業時間中の働きぶりを考慮して、プロジェクト、会議等での役割が与えられること。また休日出勤や残業ができないことで、機会が減らないこと」(34歳/コンサルタント)
Q3の結果からも分かったとおり、出産・育児などの制度面の整備を挙げる人が多くいました。そして意外にも同じくらい多かったのが「女性を特別扱いしないこと」を求める声。働く女性たちが本当に「女性に優しい」と考えるのは、出産・育児の環境が整っていることはもちろん、性別に関係なくワークライフバランスを考えられること、公正な評価のもとで仕事ができることがポイントだと分かりました。
女性に優しい会社というと、女性を優遇するための制度が目立ってしまいがち。しかし働く女性たちが考える女性に優しい会社は、「女性だけ」に優しいのではなく、「誰に対しても優しい」会社であるようです。
【アンケート調査概要】
●調査方法:転職サイト『女の転職@type』の20代~30代女性会員およびWebマガジン『Woman type』サイト読者へのWebアンケート
●調査期間:2015年7月30日~8月3日
●有効回答者数:158名
取材・文/大室倫子(編集部)
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