20代のキャリア選択に後悔する女性たちの共通点と、二つの教訓

忙しい毎日の中で先々のことを考える余裕がなかったり、「今は目の前の生活を楽しみたい」と思っていたりする人も多いかもしれません。
でも時間がたつのはあっという間。30代、40代になった時に「20代の時、あれをやっておけばよかったな」なんて後悔はしたくない!
そこでWoman typeでは、30~40代の働く女性たち100人を対象にアンケート調査を実施。「転職・キャリア」「結婚・出産」「お金」の3つに分けて、「20代の時にやっておけばよかったと思うこと」を聞いてみました。
初回は、「転職・キャリア」編。
誰しも幸せな未来を思い描いてキャリアを選択しているはずなのに、女性たちはなぜ後悔してしまったのでしょうか。
Q1 仕事やキャリアに関して、20代のうちにやっておけばよかったと後悔していることはありますか?

仕事やキャリアに関して、20代でやっておけばよかったと後悔していることがあるかどうかを聞いたところ、80%の人が「ある」と回答しました。
彼女たちはどのようなことを後悔しているのでしょうか。
「資格があれば手当も変わるので、取得しておけばよかった。出産前なら勉強する時間もあった」(39歳/販売職)
「学生時代から今までずっと医療系にいたので、一般企業に転職できるようにパソコンの知識を身に付けておきたかった」(36歳/一般事務)
「もう少し資格を取ればよかった。40代で転職を考えると、経験、スキル、資格の重要性が増すので」(46歳/医療事務)
「もっと幅広いスキルや専門知識を身に付けておけばよかった。特に、技術や言語、プログラミングのスキルを20代のうちに磨いておけば、今後のキャリアに役立ったと感じている」(30歳/会社員)
「結婚、出産をするとキャリアを積む事が難しくなる業界なので、その前にできることを増やしておけばよかった」(32歳/臨床検査技師)
「もう少し英語の勉強をしておけばよかった。こんなに必要になるとは思わなかった」(46歳/一般事務)
「英会話スクールに通っているけれど、20代の時ほど覚えがよくなく、あせっている。若い時に語学力を身に付けておけばよかったと後悔」(40歳/販売員)
「語学力を身に付ければよかった。能力のある人に仕事を奪われ、お給料に差が出てしまった」(35歳/一般事務)
「たくさん失敗をして、メンタルを強くしておけばよかった」(31歳/クリエーティブディレクター)
「年齢を重ねるにつれて期待値が上がり失敗の重みが増していくので、若手のうちにもっと失敗をしておけばよかったなと思う」(34歳/保育士)
「たくさん失敗を経験しておけばよかった。ミスしないことを重視しすぎていたため、ほとんどミスなくここまできたがゆえに、後輩のミスのカバーがうまくできない」(47歳/一般事務)
「いろんな職種を経験して、周囲の人に注意されたり叱られたり、理不尽なことも経験しておいた方がよかったなぁと思う」(36歳/営業事務)
「失敗してもいいからいろんなことをやってみればよかった」(32歳/販売職)
「他の部署を経験してみないかと声を掛けてもらえたのに、失敗をおそれて断ってしまった」(47歳/一般事務)
「転職でも趣味でも年齢を重ねると億劫になり一歩が踏み出せなくなる。20代のうちに軽やかに踏み出せばよかった」(40歳/一般事務)
「やりたい仕事があってチャンスもあったのに、転職する勇気がなくて挑戦できなかったことを後悔」(43歳/営業事務)
「介護士の仕事に興味があり転職を考えて相談したが、やめた方がいいと言われてあきらめてしまったことを後悔している」(38歳/一般事務)
「本当にやりたいことを見つけて、20代でチャレンジすればよかった」(41歳/一般事務)
最も多く寄せられたのは、「資格や何かしらスキルを習得しておけばよかった」という声。
30代以降で転職活動をしたり、出産・育児をへてからのキャリアを考えたりする際の武器の重要性を感じている人が多いようです。
その他にも、「もっと思い切り失敗しておくべきだった」「恐れずにやりたいことにチャレンジしておけばよかった」など、勇気が出ずにチャレンジできなかったことを悔やむ声も。
総じて、行動を起こさなかったことへの後悔の念を抱く人が多いことが分かります。
20代をやり直せるなら「恐れない」「我慢しない」
「もっと行動するべきだった」と20代の過ごし方に後悔の念を抱いている女性たちに、「20代をやり直せるとしたら、何をするか」についても聞いてみました。
「どこの部署に配属されてもいいように、たくさん勉強をしてスキルを増やしておく」(40歳/販売員)
「オンライン講座やスクールを活用して資格を取るなど、さまざまなスキルを身に付ける」(38歳/事務・広報)
「デザインに関する資格を取りつつ、手の込んだポートフォリオを作っておく」(38歳/デザイナー)
「周りのやっかみを無視してでも貪欲に勉強する。そして転職の選択肢の幅を広げる」(47歳/医療従事者)
「安定ではなくワクワクするかどうかで仕事を選ぶ」(34歳/事務)
「正社員にこだわらずに、やってみたい仕事にチャレンジする」(39歳/一般事務)
「もっと自分に自信を持って、転職活動をする」(44歳/旅行事務)
「前職と近しい職種を選ぶのではなく、転職エージェントを使って他業種への転職相談をする」(36歳/一般事務)
「海外に行って専門学校に入る」(33歳/一般事務)
「料理が好きなので、料理アシスタントに挑戦したり料理教室で働いたりする」(30歳/販売職)
「できなさそうな業界でも興味があれば飛び込む」(32歳/販売職)
「海外勤務に手を挙げて2~3年海外で修行する」(46歳/経営企画事務)
「営業職を打診された時に断ってしまったが、当時に戻れるなら率先して取り組む」(36歳/営業事務)
「できなくて失敗してもいいから何でも挑戦する」(43歳/一般事務)
「1年目からガツガツ仕事を取りにいって、3年目くらいで転職を考えられるようにしておく」(33歳/販売サービス)
「スキルを身に付けて転職の選択肢を広げたい」という声や、「失敗してもいいからやりたい仕事にチャレンジしたい」という声が多く寄せられました。
20代の頃は安定やお給料などの条件を優先したり、失敗を恐れて自分にできそうな仕事を選んだりしたけれど、今やり直すなら「自分がやりたいこと」を大切にしたい。そんな思いが伝わってきます。
安全な道より、チャレンジングな道の方が後悔は少ない?
最後に、「20代でやっておけばよかったと思うことが“ない”」と回答した人たちに、「20代でやっておいて最もよかったと思うこと」について聞いてみました。
「ネームバリューで会社を選ばず、本当にやりたい仕事を模索した結果、やりたい仕事で必要な知識を付けてすぐに希望の会社に転職することができた」(49歳/ライター)
「自分のやりたいこと、仕事のやりがいを軸に仕事を選んだ。忙しくて肉体的なしんどさを感じることはあっても、精神的なしんどさはあまりなかったから、楽しんで仕事ができた」(33歳/セラピスト)
「自分がやりたいことの一つだった留学をし、視野が広がった」(32歳/看護師)
「興味があることにチャレンジしたことで自分の向き不向きが分かった」(30歳/一般事務)
「自分に合っていない仕事でも、できることをとりあえずやっておいたのがよかった。その経験がいろいろなところで生きている」(47歳/経理)
「一つの仕事に絞らず、いろいろな仕事に挑戦してよかった。視野が広がった」(32歳/営業事務)
「20代の頃に正看護師を経験。今は金融機関に勤務しているが、医療現場を知っていることで自分はもちろん、同僚たちの健康増進・サポートもできている。結果的に全く異なる業種に就いても、医療現場での経験は大きな収穫だった」(37歳/一般事務)
「特に自分がやりたい仕事ではなかったが、医療事務はどこに行っても需要があるため、やっておいてよかった」(35歳/医療事務)
失敗をおそれずやりたいことに挑戦したり、食わず嫌いをせず目の前の仕事に取り組んだりしてきた人たちは、自分の行動を「よかった」と振り返っていることが分かります。
どうしても安全な道を選びたくなってしまいますが、先輩たちの経験談を見ると、「チャレンジすること」が後悔のない未来につながっていくと言えそうです。
与えられたチャンスを逃さずつかむこと、そして失敗をおそれずに「やりたい」気持ちに従うこと。
30代以降の仕事人生に悔いを残さないために、この二つの教訓を胸に日々を過ごしていきましょう!
>>「結婚・出産編」、「お金編」も近日公開予定です。お楽しみに!
【アンケート調査概要】
●調査方法:30~49歳の女性へのWebアンケート(クラウドワークスにて)
●調査期間:2024年4月4日~4月8日
●有効回答者数:100名
文/光谷麻里(編集部)
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