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FEB/2015

60カ国籍以上の人と仕事をした日本人が教える「異文化」で活躍できる女性の条件

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海外で働いてみたい、あるいは国内にいても海外と接点のあるグローバルな仕事をしてみたい。そんな憧れを持つ女性は少なくない。だが一方で、「日本とはまったく異なる文化や環境の中で、本当にやっていけるのだろうか」という不安から、その一歩を踏み出せずにいる人も多いようだ。では実際のところ、世界を舞台に活躍している女性たちはどんな資質や能力を備えているのだろうか。そこで、これまでにアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど計7カ国で暮らした経験を持ち、60カ国以上の国籍の人たちと仕事をしてきた国連職員の田島麻衣子さんに「異文化の中で活躍できる女性像」について伺った。

世界で仕事をする中で出会った
印象的な2人の女性

60カ国籍以上の人と仕事をした日本人が教える「異文化」で活躍できる女性の条件
国連職員
田島麻衣子さん
東京生まれ。青山学院高等部、青山学院大学国際政治経済学部卒。オックスフォード大学院修士課程修了。大学卒業後、KPMGに入社するも退社。オックスフォード大学院への留学を経て、2006年より国連世界食糧計画(WFP)に勤務。これまでにアメリカ、イギリス、フランス、イタリア、ラオス、アルメニアに日本を加えた計7カ国に暮らした経験を持つ

国連職員として、ほとんどの職場で日本人はただ一人、常に多様な国籍やバックグラウンドを持つ人たちの中で10年間働いてきた田島さん。さまざまな国やオフィスで働く中で、尊敬できる素敵な女性たちに数多く出会ってきたという。特に印象に残っている女性とはどのような人物だったのだろうか?

「私が尊敬するインド人の先輩女性は、とてもチャーミングで愛嬌のある人。ふとした時に見せるいたずらっ子のような笑顔が魅力的で、私もすっかりファンになってしまいました。彼女は好奇心旺盛で、大人になってもワクワクする気持ちを失っていない。私たちが何か話していると、『それ何?』と何のためらいもなく参加してくるんです。そんな彼女のことを、同じ職場で働くベテランから若手まで誰もが大好きで、彼女が開くホームパーティーにはいつもたくさんの人が集まっていました。彼女を見ていると、愛嬌というのは世界共通の魅力であり、人をとりこにするものなのだと実感します」

また、イタリアで勤務していたころに仕事を共にしたアメリカ人の先輩女性については、こんな場面が印象に残っている。

「ある会議でかなり緊迫感のある議論が長時間続き、出席者全員がヘトヘトになってしまったことがありました。すると議長役を務めていたアメリカ人の先輩女性が、会議の最後にニコッと微笑んで、『みんな、今日はありがとう!』と言ったのです。その瞬間、場の雰囲気がふっとやわらぎ、会議に参加していた全員が『今日は頑張ってよかった』と感じて笑顔になりました。実際は私たちよりも、議長としてその場をまとめる彼女の方がずっと疲れていたはずです。にも関わらず、他の人たちの頑張りを認め、感謝するというポジティブさを失わない姿に感銘を受けました」

“世界で活躍する女性”と聞くと、頭脳明晰でクールなエリートをイメージするかもしれないが、実際は人間的な魅力を備えた女性ばかりだという。

“空気を読む”は通用しない!
常識の違いを乗り越える唯一の方法とは

国連職員
こうした人間的な魅力に加え、海外で働く場合に必要になってくるのが「相手の常識を受け入れること」。例えば日本では、時間を守るのは当たり前。だが海外では、打ち合わせや会議の開始時間になっても相手が現れず、時には1時間近く待たされることも珍しくないという。また、コミュニケーションの取り方も日本人とは異なる部分が多い。

「日本には“空気を読む”という文化があるので、言いにくいことはあえて口に出さなくても、お互いに何となく察し合えば良しとします。ところが、北欧などの出身者は、比較的ネガティブなこともはっきり口に出す。『あなたのアイデアは全然ダメだと思う』と真顔でズバッと言われることもしょっちゅうです」

帰国子女でもなく、日本で生まれ育ち、日本の学校に通い、日本で就職したこともあるごく普通の日本人だった田島さん。海外で働き始めた当初は、日本との常識の違いに戸惑ったり、内心傷ついたこともあった。しかし海外の人たちと一緒に働くうちに、そんな常識の違いを乗り越える唯一の方法を見出した。

「それが『相手の常識を受け入れる』ことです。物事をはっきり言う人も、別に悪意があるわけではありません。ネガティブなことは互いにきちんと共有した方が、後々になってトラブルや問題が発生するのを防げると考えているのです。つまり、それが海外の人にとって常識ということ。それを理解すれば、『なるほど、あなたと私の常識は違うのね』と冷静に受け入れることができます。時間についても同じ。相手が遅れてくるたびにイライラしていては、自分が疲れるだけです。おかげで私も『遅れちゃったなら仕方ないですね。じゃあ、始めましょうか』と淡々と受け流す習慣が付きました(笑)」

働く場所が変われば、常識が変わるのも当然。「『自分と違うからダメ』と否定するのではなく、『自分と違うから面白い』と思える人は、世界のどこへ行っても活躍できるでしょうね」と田島さんは語る。

愛嬌、笑顔、ポジティブ思考に共感力
海外でも日本でも求められるものは同じ

60カ国籍以上の人と仕事をした日本人が教える「異文化」で活躍できる女性の条件

そうして異文化を受け入れられるようになると、むしろ互いの違いよりも、共通する部分に自然と目が向くようになるという。

「常識や文化は違っても、同じ人間として共感できる部分は必ずある。そのことを私は実感してきました。例えば、一生懸命頑張っている人を見たら、心を打たれて『この人を応援してあげたい』と思いますよね。これは世界共通の感情です。一本の映画が世界中で大ヒットすることも珍しくないのですから、国や文化の違いを越えて、誰もが共感できるものは存在するはず。この“共感探し”が上手な人なら、きっとどんな相手とでも協力しながら働けると思います」

尊敬する2人の女性が持っていた、愛嬌や明るい笑顔、ポジティブ思考や周囲への感謝を忘れない姿勢に、田島さんが必要だと話す“共感探し”……。もしかしたら“活躍できる女性像”というのは、そのフィールドが日本でも海外でも、それほど変わらないのではないだろうか。

「そう思います。実は私自身、日本で働くのも海外で働くのも、それほど差がないと思っているんです。もちろん先ほどお話ししたような常識の違いがあることは知っておくべきですが、他人と意見や価値観の違いでぶつかることは、日本にいてもよくありますよね。そう考えると、海外も日本もそう大きな違いはないはず。海外は日本と地続きの世界であって、決して異次元の別世界ではないのです。だから海外の仕事に興味があるなら、ぜひ自信を持って一歩を踏み出してほしい。海外に出れば、新しい出会いや学びが必ずあります。確かに大変なこともありますが、それを上回る楽しさがあるのです。それをぜひ、多くの女性たちに体験してもらいたいですね」

注:本記事に記された見解は著者個人のものであり、国連世界食糧計画の見解を何ら反映するものではありません。
The views expressed herein are those of the author and do not reflect the views of the United Nations World Food Programme.

 60カ国籍以上の人と仕事をした日本人が教える「異文化」で活躍できる女性の条件

【著書紹介】
『世界で働く人になる!』
著・田島麻衣子/価格:1,512円(税込)/出版:アルク

「非帰国子女」の大学生が、試行錯誤の末、英語と人づきあいのコツを身に付け、国連機関の職員に――。これまで7カ国に住み、60カ国以上の人たちと共に働いてきた著者が、日本人がグローバルな環境で働く際に必ず役立つ41のコツを、豊富な実体験を元に伝える一冊
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取材・文/塚田有香 撮影/洞澤 佐智子(CROSSOVER)

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