オリンピックの舞台に立った女性アスリートたちに学ぶ、うまくいかない時に「やってはいけない」3つのこと

いよいよパリオリンピックが開幕!
熱い闘いを見せてくれるトップアスリートたちですが、この舞台に立つまでには不調やスランプも経験してきているはず。
そこで、オリンピック出場経験のある3人の女性アスリートのインタビューから、壁にぶつかった時に「ご法度にしていたこと」をご紹介します。
「最近仕事がうまくいかない」と悩んでいる人は、今の状況を打破するヒントにしてみてくださいね。
スピードスケート:髙木菜那「人に答えを求めない」

スピードスケート五輪金メダリストの髙木菜那さん。
思うように滑れない自分にあせっていた時、実業団の先輩たちに「どうやったらもっと速く滑れますか?」「どうしたら勝てますか?」と話を聞いてまわっていたそう。
ある先輩に、「人に答えを求めるな、まずは自分で考えろ」と言われてはっとしました。図星だったんです。外に答えを求めるばかりで、自分自身に向き合おうとはしていなかった。
ちゃんと、自分で考えて、考えて、考え抜かなくちゃダメなんだ。そう気づかされた出来事でした。
自分のダメなところ、格好悪いところ、弱さ……直視したくないものや認めたくないものを一つ一つ見つめ直し、己の成長を阻んでいる要因をつきとめる。
こんな風に自分と向き合うことは、苦しく、つらい作業だと髙木さんは話します。でも、この作業から逃げなかったことが、髙木さんを強くしていきました。
サッカー:岩清水 梓「自分を追い込まない」

2012年のロンドン五輪で銀メダルを獲得した岩清水梓さん。
彼女は、結婚・出産をへても現役を引退せず、日本初の「ママプロWEリーガー」として育児と両立しながら活躍し続ける選択をしました。
産後は思った以上に体力が落ちていて、軽いジョギングでも息が切れてしまう自分に愕然としたと話す岩清水さん。
とてもじゃないけれど、これではチームに戻れない、そう思いました。
それで、医師や栄養士、トレーナーなど専門家の方に相談して。
自分の体がいまどんな状態なのか詳しく教えてもらい、「今は仕方ないんだ」と自分を納得させました。
自分の体なのに自分の体ではないような、歯がゆい感覚。
現実を受け入れるのに時間がかかったという石清水さんですが、「あせっても仕方がない、やることをやっていくしかない」と折り合いをつけられたことが、壁を乗り越えるきっかけとなりました。
体操:杉原愛子「うまくいかない現実をそのまま受け止めない」

2016年リオ、21年東京と体操競技で2度のオリンピックに出場し、今年のパリ五輪も団体補欠として帯同している杉原愛子さん。
「物事のプラスの側面」を見ることで、モチベーションを維持していると話す彼女は、たとえケガをしたとしても、それをチャンスに転換する思考の持ち主。
けがをするとあせるし、リハビリも「しんどいな」「やりたくないな」とついネガティブにもなります。
でも、それをやらなかったら復帰も遅れるし、またけがをする可能性も高まる。
だから、なるべく自分が「楽しいな」と思えるやり方を見つけて取り組むようにしていて。
足をけがした時は、上半身のトレーニングをしたり、体の使い方を勉強したりするようにしてました。
「上半身を集中して鍛えるチャンス」と思って取り組んだ結果、苦手だった段違い平行棒(腕を使う種目)も好きになったんですよ。ラッキーですよね(笑)
うまくいかない現実もそのまま受け止めて悲観的になるのではなく、「いい面」を見ることで「ラッキー」に変えられるポジティブマインドが、杉原さんの強さにつながっているようです。
女性トップアスリートたちの強さをかたどる3つの思考法。ぜひ参考にしてみてください!
文/Woman type編集部
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