【柏木由紀】メイク動画が大ヒット! 賛否両論でも「すっぴんの自分」を発信し続けるシンプルな理由

2024年4月にAKB48(以下、AKB)を卒業し、タレント、コスメブランド『upink』のプロデューサーとして幅広く活躍する柏木由紀さん。

柏木由紀

自身のYouTubeチャンネル『ゆきりんワールド』では、すっぴんや肌荒れをも堂々と見せる等身大のメイク動画が大ヒット

チャンネル登録者数は60万人以上(2025年1月時点)にのぼり、女性ファンからの共感の声が続々と寄せられている。

「自分の見た目にすごくコンプレックスがあって、それをメイクで変えられた経験があったので、YouTubeを始めることが決まった時に、ぜひそれを伝えられたらいいなと思ったんです」

そう話す柏木さんに、20代の頃に悩んでいたコンプレックスのこと、メイクにはまったきっかけ、日々のメイクを楽しむコツを教えてもらった。

「すっぴんの自分で」YouTubeを始める時に決めたマイルール

私がYouTubeを始めたのは、2020年。まだAKBにいて、「各自YouTubeを始めてください」って、勝手に決まっちゃって(笑)

私は無趣味な人間なので、好きなことと言ったらメイクくらい。何か発信するんだったら、「もう、メイク動画しかない」と。

柏木由紀

その時に、二つ決めたことがあります。

一つは、飾らない自分を見せること。モデルさんとか女優さんみたいに、常に完璧な姿を見せるのは絶対に無理。

そういうタイプの人はもう別のところにいっぱいいるから、私はもっと、視聴者の皆さんにとって友達のような存在でありたいと思いました。

「このファンデいいよね」「このリップ最高にかわいいよね」とか気軽に雑談できたり、息抜きの相手になったりできる。そういう存在を目指すことにしました。

もう一つは、「すっぴんを出してメイクする」ということ。

それまでは、「ファンががっかりするから、すっぴんは絶対に世に出しちゃだめ」って周りからも言われていたし、自分もそう思っていました(笑)

でも、私はYouTubeの発信を通して「メイクの力で、人はここまで変わるんだ」ということをどうしても伝えたかったんです。そして、それをやるなら、ビフォーアフターを見せて証明するのが一番。

最初はすっぴんを出すことに抵抗感がなかったといえばウソになるけれど、それでも「伝えたいことをちゃんと伝える」ためには、すっぴんからのメイクを見せることが絶対に大事だと思いました。

柏木由紀

いざメイク動画ですっぴんを披露して、肌荒れ、ニキビ、クマ、全部包み隠さず見せてみると、賛否両論ありました。

もともと否定的な意見は一定数はくるだろうなと予想はしていましたけど、それ以上に「すごい参考になった」「メイクの仕方の解説がすごく分かりやすい」というポジティブな意見がいっぱい届いて。

むしろ私はそっちの方がうれしくて、否定的な意見は「ふ~ん、そう思うのね」程度に受け流して、こんなに喜んでくれる人がいるなら続けてみよう! というモチベーションが湧いてきましたね。

私の容姿にケチつけた人「ありがとね!」

振り返ると、私がメイクに興味を持ち始めたのは25歳を過ぎてからでした。

AKBは基本的に自分でメイクをするんですけど、20代後半になるまでは、やらなきゃいけないからやっているだけで、メイクを楽しいと思ったことはなかったんです。

それに、アイドルという仕事柄、やっぱり自分の見た目について、人からあれこれ言われることもあって。

SNSを見ていたら、「鼻が大きい」とか「面長」とか書かれていたり。

自分では気にしたこともなかったのに、「え? 私って人から見たら、そんなふうに見えてるんだ」って、普通にびっくりして(笑)

柏木由紀

それで、仕事でメイクさんにお会いした時に、「この間、こんなことSNSで言われてました」なんて相談してみたら、「メイク次第でもっと鼻をしゅっと高く見せることもできますよ」と教えてもらって。

それから、ネットでバズってるあらゆるコスメを買いあさってあれこれ試してみたり、メイクさんから教えてもらった技を自分のメイクに取り入れたりして試行錯誤するようになりました。

そうこうしているうちに、どんどん自分が「なりたい姿」に近づけている手ごたえを感じられるようになって、メイクすること自体がすごく楽しくなったんです。

そういう意味では、私の容姿にケチをつけてくれた人にすら感謝(笑)

こんなに奥深くて楽しいメイクの世界にはまるきっかけをくれて、ありがとねー! って気持ちです。

柏木由紀

ちなみに、AKBには32歳までいましたけど、最後の方は「ゆきりん老けたな~」ってよくSNSで言われてました。

そりゃそうですよ、17年もAKBにいたんですから!!

初期の頃の私をよくテレビで見ていた方からすると、「老けた」になるんでしょうけど、普通に年齢を重ねただけですからね? って言いたいですね。

コンプレックス隠しより、「なりたい自分に近づく」ためのメイク

とはいえ、私も28歳を過ぎたころは特に、10代のメンバーと一緒の衣装を着て横に並んでいると、どうしても自分の顔のハリのなさが気になるようになりました。

みんなと合わせて「もっと若々しく可愛く見えるメイクのほうがいいのかな」とか「いや、年齢相応の自然体な顔の方がいいかな」とか、葛藤することもあったんです。

当時はメイクをすること自体は楽しくなっていたけど、相変わらず自分の顔のコンプレックスは山ほどあって。

周りのメンバーと比べて、顔が地味だな……もっとメリハリが欲しいな、とか。肌荒れが嫌だなとか、悩みは尽きませんでした。

柏木由紀

でも、そういう時に大事なのは、コンプレックスを消そう、隠そうと考えすぎないこと。マイナスなことをゼロにすることって、あんまり面白くないじゃないですか。

だから私は、「なりたい自分に近づくためのメイクをするんだ」っていつも考えるようにしてきました。

「自分の鼻が嫌いだから、鼻を小さく見せるようにメイクで隠そう」じゃなくて、「しゅっとした鼻の顔になってみたいから、そういう顔に近づけるメイクをしよう」って考えるんです。

それだけで、メイクをすることでプラスの自分になっているから「楽しい」気分になれるし、毎朝「苦じゃない」気持ちで続けられるようになると思うんですよね。

あとは、30代手前に差し掛かると、顔つきが変わったり、職場での役割が変わったり、似合うメイクも変わってくると思うので、「メイク迷子」になっちゃう人も多いと思います。

私もそうだったように、自分に合うコスメやメイクを改めて探す必要がある時期なのかな、と。

そういう場合、デパコスからプチプラコスメまで、とりあえず流行っているものを片っ端から試してみるのはマジでおすすめです。

結局、ネットで話題のものとか、口コミの良いものってほぼハズレがない。コスメに関しては「みんなが良いと言っているものは良い」は、当てはまることが多いです(笑)

柏木由紀

新しいリップを塗ってみる、流行りのアイシャドウをつけてみる……今までの自分が使ってこなかったものを試してみるだけでOK。

「これは自分には合わなかったな」っていうものも中にはあるかもしれないけど、そういう失敗も含めて、いろいろ試した末に「これを使えば、超可愛くなれるじゃん!」っていうものを見つけられたときって最高に楽しいですよ。

そして、メイクは試行錯誤してやればやるほどうまくなるし、どんどんなりたい自分に近づいていくことができます。

AKBにいた頃は、周囲のメンバーの中で「浮かない」かどうかとか、チームの中での立ち位置を気にしてメイクしていたんですけど、いまは自分がどうなりたいかを軸にメイクを決められるので、それ自体が私にとっては挑戦です。

自分にはどういうものが合うんだろう、自分はどんなふうになりたいんだろう……。

そんなことを考えながら、自分で自分を「可愛い!」って思えるメイクができるようになるように、今後もいろいろ試していきたいなって思っています。

ぜひ皆さんも、毎日のメイクを楽しみながら、私と一緒に最高に可愛くなっていきましょうね!

柏木由紀
柏木由紀(かしわぎ ゆき) さん
1991年7月15日生まれ、鹿児島県出身。2024年4月をもって17年間在籍したAKB48を卒業。“ゆきりん”の愛称で親しまれ、バラエティー番組で見せる飾らないキャラクターが人気。YouTubeやファッション・美容誌で大好きなメイクとコスメについて熱く語る姿が幅広い世代の女性から支持を集めている。22年に日本化粧品検定1級に合格し、23年には自身がプロデュースするコスメブランド『upink(ユーピンク)』を立ち上げた。XInstagramYouTube
【柏木由紀】AKB歴17年「結局32歳まで」アイドルを続けたキャリア決断の裏側 https://woman-type.jp/wt/feature/38257/
【柏木由紀】AKB歴17年「結局32歳まで」アイドルを続けたキャリア決断の裏側

書籍紹介

柏木由紀

『メイクで見つける可愛いの法則』(柏木由紀/宝島社)

「ニキビを消したい」「鼻の毛穴を目立たなくしたい」「小顔に見せたい」などコンプレックスを解消するテクニックや、お悩みQ&Aなど、YouTubeでは語られていないことまで大公開! 初心者から上級者、いつもYouTubeを見ている人まで楽しめる一冊になっています。すべての女性が、メイクで自分の「可愛いの法則」を見つけるためのヒントが詰まっています。 >>詳細

取材・文/栗原千明(編集部) 撮影/洞澤 佐智子(CROSSOVER)

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