小田切ヒロ「正論で人は育たない」 後輩を傷つけず・甘やかさない育成コミュニケーションの絶対ルール

小田切ヒロ「正論で人は育たない」 後輩を傷つけず・甘やかさない育成コミュニケーションの絶対ルール

日本と韓国から選び抜かれた若きメイクアップアーティスト20人が、次世代No.1の座を懸けて競い合うPrime Videoのビューティーコンペティション番組『ビューティバトルロワイヤル』が、7月31日(金)より独占配信中だ。

メインMCを中島健人さん、スタジオMCを本田翼さんが務め、チェアマンには日本を代表するヘア&メイクアップアーティストの小田切ヒロさんが就任。参加者たちはさまざまなミッションを通して、メイクの技術だけでなく、発想力や表現力、コミュニケーション力まで試される。

ビューティバトルロワイヤル

番組ではプロならではの厳しい言葉を投げかけながらも、挑戦者一人ひとりの可能性を信じ、次の一歩を促す小田切さんの姿が印象的だ。

そこには、伸びる人の見極め方や、後輩への伝え方、自分自身も成長し続けることの大切さなど、働く女性が仕事に生かせるヒントが詰まっている。

今回は、後輩や部下を持ち、人を育てる立場になった女性に向けて、小田切さん流の「人を育てる力」を聞いた。

「メイクには、その人の人生が表れる」

Nous Inc.代表取締役/ヘア&メイクアップアーティスト 小田切ヒロさん

Nous Inc.代表取締役/ヘア&メイクアップアーティスト 小田切ヒロさん

雑誌・広告を中心にヘア&メイクアップを手がけるほか、化粧品ブランドのアドバイザーやディレクション、メディア出演、書籍など幅広く活動。豊富な美容知識と現場経験を背景に、女優やモデルから高い信頼を得ている。YouTubeチャンネル「HIRO BEAUTY CHANNEL」は、登録者数175万 人を誇る美容系チャンネル。実践的で再現性の高いメイクテクニックと視聴者に寄り添う言葉で支持を集め、「ヒロ買い」と呼ばれるコスメ購買行動のムーブメントを生み出すなど、美容市場における消費トレンドにも影響を与えている。2025年には、東京・大阪でのBeauty Selected Pop Up開催をはじめ、リアルイベントへと展開。デジタルとリアルを横断したコミュニティ形成を推進。日本ならではの繊細な技術や美意識を現代的に再解釈し、J-beautyの価値を現代のマーケットに接続する取り組みに注力。SNS総フォロワー数400万人超

『ビューティバトルロワイヤル』で小田切さんの心を強く動かしたのは、参加者たちの技術力だけではない。メイクアップアーティストとして未来を切り開こうとする、20人の圧倒的な熱量だった。

小田切さん

今回の挑戦者は、ただ有名になりたいとか、リアリティー番組に出たいという感覚ではなく、全員がプロのメイクアップアーティストとして、このチャンスをつかみに来ている。その覚悟が最初から伝わってきました。

だから、私自身も中途半端な気持ちでは向き合えませんでした。この番組は美容業界の歴史の1ページになると思ったんです。

チェアマンとして参加者を選考するときに見ていたのも、メイクの技術や完成度だけではなかったという。

小田切さん

メイクは、ただ顔をきれいにするものではありません。その人の考え方やマインドが、すべてメイクに表れるんです。

だから選考では、どんな人生を歩んできたのか、なぜこのオーディションに応募したのか、その背景まで見させていただきました。バックボーンが違えば、表現も変わります。その人らしさが作品にどう表れているのか。そこが、この番組の大きな見どころだと思います。

小田切ヒロさん

バトルが進むにつれ、参加者たちは悔し涙を流し、作品に込めた思いや葛藤を言葉にするようになる。小田切さんは、そうした感情の変化にも注目していた。

小田切さん

仕事ができるようになってくると、感情を表に出さないことがプロフェッショナルだと思ってしまうものです。でも、この番組の参加者はまだ若いアーティスト。

今必要なのは、感情をコントロールすることではなく、まず感情を表現すること。感情を出せるようになって初めて、次のステップとしてコントロールできるようになるんです。

だからこそ、参加者たちが涙する姿には、すごく引き込まれました。見えてくるのはメイクの技術だけではなく、その人の本質ですから。番組を見てくださる方も、自分の人生と重ね合わせながら見ていただけると思います。

技術だけでは、人の心は動かせない。その人が何を考え、何を乗り越え、どんな思いで目の前の仕事に向き合っているのか。

小田切さんの言葉からは、感情や背景まで含めて表現することが、その人にしかない強さになるのだと伝わってくる。

成長できる人は「素直さ」の価値を知っている

では、小田切さんはどんな人に「これから伸びる可能性」を感じるのだろうか。これまで多くの若手を見てきた中で、重視しているのは、技術やセンス以前の姿勢だという。

小田切さん

第一に素直さです。そして柔軟性。この二つがない限り、人は成長しません。

もちろん、自分の自信やプライドを持つことは大切ですよ。でも、人からいただく意見やアドバイスを素直に受け入れて、自分の中で生かせる柔軟性があるかどうか。それはどんな職業でも必要な力だと思っています。

小田切ヒロさん

だからこそ「素直さは若手だけに求められるものではない」と続ける。

小田切さん

若いから素直とは限りませんし、年齢を重ねても素直さを失ってはいけないと思っています。私は、素直さそのものが「価値」だと感じているんです。その価値を持ち続けられる人は、いつまでも成長できますよね。

一方で、最初から素直に振る舞える人ばかりではない。緊張して自分をうまく表現できない人もいれば、自分自身の強みや課題をまだ理解できていない人もいる。

小田切さんは、目の前の態度だけでその人の可能性を決めつけない。

小田切さん

最初から素直ではないからといって、それだけで可能性がないとは思いません。まずは、素直であることにどんな意味や価値があるのかを伝えます。

その真意を本人が理解し、自分の中に取り入れられるかどうか。そこも、一つの見極めポイントですね。

人を育てるなら「正解」を語るより背中で示す

小田切さん

私は、言葉で育ったというより、見て育ったタイプなんです。私の師匠はとにかく仕事に対してひたむきな人でした。そして、いつも見ているのは「現在」と「未来」だけ。過去の栄光を一切語らない人だったんです。

その姿勢が本当に格好良くて、「私もこういう人になりたい」と思いました。

小田切ヒロさん

どれだけ立派なことを言っても、本人の行動が伴っていなければ、相手の心には響かない。だから小田切さんも、後輩を指導するときは、正解を言葉ですべて教えるのではなく、自らの仕事ぶりで示すことを大切にしている。

小田切さん

言葉で説得することももちろん大切だけれど、それ以上に行動を見て感じてもらう方が、説得力がある。

もちろん間違ったことがあれば伝えますが、正解をすべて教えるのではなく、自分自身の行動で示していくこと。それが後輩の成長につながると思っています。

また、後輩とコミュニケーションを取るとき、小田切さんが意識しているのが、過去にとらわれすぎないことだ。

小田切さん

自分の師匠のように、「これからどうしていこうか」という話をすることを大切にしています。今と未来だけを見て会話をする方が、お互いに前向きになれますし、信頼関係も築きやすいのかなと思いますね。

失敗の原因を振り返ることは必要だ。しかし、「なぜできなかったのか」と過去を問い続けるだけでは、相手を萎縮させてしまうこともある。

過去よりも、今とこれからに目を向ける。その先に見据えているのは、一緒に成長していく関係づくりだ。小田切さんの言葉からは、そんな人との向き合い方が伝わってきた。

指摘するときは、まず「自分の失敗」を話してみて

後輩の成長を願っているからこそ、改善してほしいことはきちんと伝えたい。けれど、「きつく聞こえないだろうか」「関係が悪くならないだろうか」と迷い、言葉を飲み込んでしまう人も多いだろう。

小田切さんが注意や指摘をするときに大切にしているのは、いきなり本題をぶつけないことだ。

小田切さん

伝えたいことを最初に持ってこないようにしています。例えば失敗を指摘したいなら「実は私も昔、こういう失敗をしたんだよね」と、まず自分の話から始めるんです。

その上で、「そのときは、こう改善したらうまくいった。だから、あなたもやってみたらどうかな」と伝える。そのワンクッションがあるだけで、角が立ちにくくなります。

小田切ヒロさん

「あなたが間違っている」と一方的に正すのではなく、自分も同じように失敗し、試行錯誤してきたことを先に明かす。そうすることで、注意は相手を責める言葉ではなく、経験を手渡す言葉に変わる。

小田切さん

注意するだけだと、それはトゲになってしまいます。トゲが刺さる前にワンクッション置いて、その後、必ずフォローを入れる。話には起承転結をつけて、最後にはオチを作るのが絶対的なルールだと思います。

さらに今の若い世代は、一言だけだと人によって解釈が変わってしまうことがあるでしょ? だから私は、なぜそうなのかという前後のストーリーまで伝えるようにしています。ストーリーがあることで、お互いの解釈がそろうんですよね。

そして、小田切さんが最後に強調したのは、育てる側も決して完成形ではないということだった。

小田切さん

若い挑戦者たちの姿って、管理職の方や先輩世代にとっても刺激になりますよね。「まだまだ自分も頑張ろう」と思えるというか。だからこそこの『ビューティバトルロワイヤル』も、さまざまな年齢、立場の方に見ていただけたらうれしいです。

小田切ヒロさん

人を育てるとは、自分の正解を相手に教え込むことではない。自らも学び続け、伝え方を工夫し、相手と共に次の一歩を考えること。

後輩の成長に向き合う時間は、自分自身の仕事の姿勢や人との接し方を見つめ直す時間でもある。人を育てようとすることで、育てる側もまた磨かれていくのだ。

取材/キャベトンコ 撮影/笹井タカマサ 編集/大室倫子(編集部)

『ビューティバトルロワイヤル』
2026年7月31日(金)からPrime Videoで独占配信中!

日本と韓国から選び抜かれた若手メイクアップアーティスト20人が、次世代No.1の座を懸けて競い合うビューティーコンペティション番組。

参加者たちは、メイク技術だけでなく、発想力や表現力、コミュニケーション能力など、プロフェッショナルとして求められる力が試されるさまざまなミッションに挑戦。

世界的に活躍するトップアーティストや豪華ゲストによる厳正な審査のもと、熾烈な戦いを繰り広げます。国境を越えて集まった若き才能たちの挑戦、葛藤、成長。新たなビューティスターは一体誰なのか?情熱とプライドが激突する予測不能な戦いが今、幕を開けます。

代表取締役/ヘア&メイクアップアーティスト 小田切ヒロさん

キャスト:
チェアマン 小田切ヒロ
メインMC 中島健人
スタジオMC 本田翼
審査員 倉科カナ、ホラン千秋、ミンキム、LeoJ
スタジオゲスト カズレーザー、ROLAND、丸山礼

企画・クリエイティブディレクター:アリエシュンスケ
製作・著作:コンデナスト・ジャパン 制作: ファンナイズ株式会社
協力:イヴ・サンローラン・ボーテ、KANEBO、KATE、SHISEIDO、シュウ ウエムラ、SOFINA iP、NARS、マキアージュ、MAYBELLINE NEW YORK(メイベリン ニューヨーク)、LUNASOL(50音順)
作品ページ:https://www.amazon.co.jp/beautybattleroyale

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