17 SEP/2021

7年の専業主婦期間を経て在宅経理デビュー。「リモートで仕事ができる人」になるためのポイントとは?

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「大好きな町に住みながら、自分のスキルを生かして働きたかったんです」ーーと話すのは東京近郊に住むAさん。

夫と2人のお子さんたちと暮らしながら、「在宅経理」として8年近く働いています。

在宅経理

「在宅経理」って……なかなか耳慣れない言葉かもしれませんが、文字通り「在宅」(リモート)で「経理」のお仕事をすることです。

8年前は非常にめずらしかった働き方ですが、コロナ禍で首都圏中心にリモートワークが普及し、在宅経理として働きたい人・仕事ともに増えています。

私が共同経営するWarisでは「在宅経理」になりたい人へ向けたイベント「『在宅経理』で実現する新しいキャリア」を10月15日に共同開催します。

イベントでは実際に「在宅経理」として働く女性たちに「在宅経理という働き方を始めたきっかけ」「在宅経理という働き方のメリット/デメリット」「在宅経理の次のキャリアをどう考える?」などのテーマに沿ってお話しする予定です。

30代半ばで出会った「在宅経理」のキャリア

冒頭のAさんは、「在宅経理」として働き出す前に専業主婦期間が7年ある方です。

新卒で大企業に就職し、経理部に配属になったものの、夫が転勤。しばらくは新幹線通勤を続ける毎日が続き、「繁忙期には最終の新幹線に飛び乗って帰宅……なんてことも」と話します。

上のお子さんを妊娠したこと、持病の悪化などもあって退職したのは20代後半のことでした。

在宅経理

それ以降、半年間ほど派遣社員で働いているうちに、再び夫が転勤に。今の町に家族で移り住みました。

「『働きたい』とは何度も思いましたが、2人の子どもを抱えての就職活動は想像していたよりも難しくて……『やってみたいな』と思う仕事はたいてい東京の中心部にあるんですよ。通勤時間を考えると子育てとの両立は現実的じゃないと思いました」(Aさん)

そんな彼女が「在宅経理」の仕事に出会ったのが30代半ば。やってみての率直な感想は……

「楽しい!ですね。専業主婦期間を経て、久しぶりの仕事復帰だったので、自分が経理担当として働いていた時のスキルが生かせるのがうれしかったし、仕事を通じての出会いも面白くて、世界が広がっていくのを感じました。

在宅で働くので毎日出社する必要はなく、通勤時間を仕事以外のことに使えて、働く時間を最大化できるのも良かったです」(Aさん)

「在宅で働く」ために経験しておきたい五つのこと

在宅経理

では、在宅経理として活躍するAさんのように、在宅でも仕事ができる・得られる人になるために、20~30代のうちにどんな経験を積むとよいのでしょうか。

ポイントを五つに絞ってご紹介したいと思います。

①仕事に意味を見いだし、知識を深める

経理の仕事に限らず、リモートで仕事をして成果につなげるためには、専門的なスキルや自律的に業務をすすめるスキルが求められます。

「言われたからやる」ということではなく、「この仕事の背景にはどういう意味があるんだろう?」、「この業務とこの業務はどのようにつながっているのだろう?」そんなことを意識しながら日々の業務をおこなっていると、一つ一つの仕事に意義が感じられますし、知識も深まります。

経理の業務自体は定型的なものですが、それだけ業務を背景もふくめてしっかり理解しておくと、他社へ転職したり、在宅経理としてさまざまな会社の経理業務を担当する際にも役立ちます。

在宅経理

②「やりたいこと」に手を上げる

在宅経理として働く際にも、より多様な業務経験を積んでいる方のほうがおまかせできる業務の幅が広がります。

例えば、「プロジェクト・マネジャーをやってみたい」や、「(大企業の場合であれば)子会社の連結決算業務を担当してみたい」など、経理を基軸としつつ、関心があって、経験の幅を広げられるような仕事には積極的に手をあげて自分自身をアップデートしていきましょう。

③スキル・経験の掛けあわせを意識する

その人の人材としてのオリジナリティーは、スキル・経験の掛けあわせによって決まります。

「経理ができる」ということに、「ITに詳しい」ということを掛け合わせて、「エクセルがものすごく得意」「アクセスを使える」といったことが加わると、自分の価値がますます高まっていきます。

数年後の自分をイメージしながら、今の自分にどんなスキルや経験を掛けあわせていったらいいか……? そんなことをぜひ考えてみてはいかがでしょうか。

在宅経理

④多様なキャリアの選択肢を知る

20~30代の方に知ってほしいのは、キャリアには「多様な選択肢がある」ということ。「子どもを産んだらキャリアは諦めなくてはいけないのですか?」ーーいまだに20代女性からこうした質問を受けます。

二者択一ではなく、「どちらも」選べる方法ってないのだろうか…?そんな視点を持っていただきたいのです。

例えば、今日「在宅経理」という言葉を初めて知った人もいるでしょう。「そんな働き方があるんだ!」と驚かれたかもしれません。

働き方・生き方の選択肢はこの数年でびっくりするほど広がってきています。

「会社員をしながら副業」「フルリモートで働く」「フリーランスとして複数の名刺を持って動いている」ーーどれもこれも非常に一般的になってきています。

⑤「違和感」を大切に

「自分は本当は何がしたいんだろう?」ーー忙しく毎日を過ごしていると、ついつい自分の心に耳を傾けることを忘れてしまいます。

もし、今の働き方に少しでも「違和感」があれば、「なぜそう思うのか?」一度立ち止まって考える時間を持ちましょう。

働くことは生きること。自分は人生を通して何に取り組みたいのか、何を実現したいのか……そんなふうに思考を深めながら、「自分らしい働き方」にたどりついてほしいと思います。

田中美和

【この記事を書いた人】
Waris共同代表・国家資格キャリアコンサルタント
田中美和

大学卒業後、2001年に日経ホーム出版社(現日経BP社)入社。編集記者として働く女性向け情報誌『日経ウーマン』を担当。フリーランスのライター・キャリアカウンセラーとしての活動を経て2013年多様な生き方・働き方を実現する人材エージェントWarisを共同創業。著書に『普通の会社員がフリーランスで稼ぐ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。一般社団法人「プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会」理事