【松井玲奈・西野七瀬・生駒里奈・深川麻衣】アイドル出身俳優4人に学ぶ、セカンドキャリアで壁にぶつかった時の対処法

4月、新しいフィールドにチャレンジする人も多い季節。
慣れない環境で早く成果を出そうと頑張っているけれど、「うまくいかないことが多いな」「しんどいな」と思っている人もいるかもしれません。
そこで、トップアイドルの地位を築いた後に俳優として新たな道を歩み始めた4人の女性たちのインタビューをピックアップ。
彼女たちはセカンドキャリアでつまづいた時に、どのようにして前に進んできたのでしょうか。
深川麻衣「見られ方は相手に任せる」

最初に紹介するのは、元『乃木坂46』の深川麻衣さんのインタビュー。
俳優としての活躍が目覚ましい彼女ですが、過去には“元アイドル”の属性により固定観念を持たれることも多く、苦労することもあったといいます。
アイドルだったことは私の大切な過去。あの経験がなければ今の私はないと思っています。
ですが、卒業して7年経った今でも、『元乃木坂46の深川麻衣』と紹介されることも多く、少し複雑な気持ちもあります。それはまだまだ私の知名度が足りないからなのかなって。
深川麻衣という一人の人間として多くの人に認知してもらうためにはもっと頑張らないとダメなんだ、と焦った時期はありました。
今は「元アイドル」も私の大切な属性の一つだと思えるようになりました。それに自分がどんなに「こう見られたい」と願ったとしても、どう見るかは相手次第じゃないですか。
だからもう、見られ方は相手に任せちゃってもいいのかな、って。その代わり私自身は、過去に甘んじずに一人の俳優として認めてもらえるように努力を続けていけばいい。
時折聞こえてくる意地悪な声に耳を傾け過ぎないで、自分の『好き』とか『やりたい』って心の声にピントを合わせて生きていけば、どんな選択をしても自分らしくいられると思っています。
松井玲奈「一人で頑張らなきゃって思わない」

次にご紹介するのは、元SKE48の松井玲奈さんが、初の映画単独主演に挑んだ時のインタビュー。
「監督の期待に応えられないかもしれない」そんな不安と闘う中で、あることに気づいたと話します。
監督からの指示を踏まえた上で台本を読んでいましたが、監督が求めるような状態は表現できないかもしれない。そう感じて、ずっと不安だったんです。
実際にそのシーンを撮影するときも、私が緊張していることが監督も分かったみたいで。そっと近寄ってきてくれて、「大丈夫です!」ってガッツポーズしながら声を掛けてくださいました。
その時に、「あぁ、チームで仕事をしているんだよな」って思えて。
チームなんだから、相手が監督であれ誰であれ、何も怖がることはないんだなと分かって、肩の力を抜いて本場に臨むことができました。
もっと気楽に甘えたり、相手に委ねたりしていいのかもしれない。麻奈美を演じたことで、「一人で頑張らなきゃって思わなくてもいいのかな」と考えるようになりました。
生駒里奈「もがいている自分を受け止めてあげる」

次にご紹介するのは、アイドルグループ『乃木坂46』の顔として、デビューから5作連続でセンターを務め、トップアイドルとしての地位を築いた生駒里奈さんのインタビュー。
2018年にグループを卒業してからは、俳優へとキャリアチェンジしたものの、新たな道を歩み始めたばかりの頃は、「元アイドル」という目でしか見てもらえず「焦っていた」と明かします。
例えばミスをした場合、普通だったら「ちゃんとやれ!」って言われると思うけど、私がミスをすると「アイドルだから、できなくても仕方ないね」と言われてしまう。
私も他の新人俳優の皆さんと同じように演技の良しあしについて率直なフィードバックが欲しいのに、「元アイドルなのに頑張ってるね」「頑張ってる姿がすてきだね」なんて言われてしまう。
周囲の皆さんは、新しい道で必死にやっている私に気を遣ってくれていたのだと思うけど、甘やかしてもらっているような気がしてしまって、そこに苦しさや不安を感じていました。
自分がちゃんと成長できているのか分からなくてもがき続けた日々でしたけど、そんな自分を否定することだけはしないようにしていました。
迷ったり、苦しんだりする自分もそのまま受け止めてあげて、目の前の仕事に全力で取り組む。
当時はそうすることしかできなかったけれど、この時にもがき切ることができたから、今回の『ミタゾノ』のように魅力的な舞台に呼んでいただけるまでに成長できたのだと思います。
西野七瀬「目の前の仕事に精一杯取り組む」

最後に紹介するのは、『乃木坂46』を卒業後、俳優として映画やドラマなど話題作へのオファーが続く西野七瀬さんのインタビュー。
「実はプレッシャーを感じやすい」と語る彼女ですが、どのようなマインドでセカンドキャリアと向き合っているのでしょうか。
私はどの作品でも、現場に入ってから周囲とのバランスを見て自分の立ち位置や振る舞い方を考えるタイプなんです。現場は演者とスタッフ、みんなで作るものなので、現場で生まれた雰囲気や、共演者との呼吸を合わせることを大切にしたいと思っています。
私が事前に準備できるのは、セリフをちゃんと覚えていくことくらい。今回も、アクションの練習とセリフの読み込みをしっかりして、現場に向かいました。
俳優は『次の仕事』が決まっているのが当たり前ではないんですよね。だから、一つ一つの作品や人との出会いに感謝して、今目の前のお仕事に精一杯取り組む。その方が、私に合っている気がするんです。
文/Woman type編集部