「面接でうまく話せない…」口下手でも“選ばれる人”になれる非言語(ノンバ)戦略【転職Q&A 三木佳世子】
20代~30代の女性が抱える仕事・キャリア・転職のお悩みに、その道のプロが本音でアドバイス! 「私らしい働き方」の発見や「いい転職」をかなえるためのヒントを提供します
今回寄せられたのは、「面接が苦手で、うまく実績をアピールできない」という女性からのお悩み。台本を用意して挑んでも、緊張で棒読みになってしまい、自信のなさが伝わってしまう……。そんな負のループから抜け出すには、どうすればいいのでしょうか?
お悩みに答えてくれたのは、『口下手でも選ばれる人がやっていること』の著者であり、表情・声・間など“非言語(ノンバーバル)コミュニケーション”の使い方を解説する、株式会社MiraiE代表取締役の三木佳世子さん。
言葉の内容以上に相手の心を動かす「非言語(ノンバ)」の表現力を使って、口下手なままでも面接官に「この人と働きたい」と思ってもらうための戦略を教えてもらいました。
株式会社MiraiE 代表取締役
三木佳世子さん
NHKディレクターとして12年間、100本以上の番組制作に携わる。2000人以上に取材する中で培った質問力・交渉力が評価され、大型番組のメンバーに抜擢。菊池寛賞・NHK会長賞受賞。2015年にサイボウズ株式会社に転職後、20年にPR会社取締役に就任し、23年2月に独立。現在は「伝える力」を軸に、幅広く事業を展開している。X
お悩み:口下手で、面接で「印象に残らない」と言われてしまいます
転職活動中なのですが、面接が苦手です。特別な実績があるわけでもなく、自己PRを話しても「印象に残らない」と言われたり、手応えがなかったりすることが多いです。
頑張って台本を作って練習しても、本番では緊張して棒読みになり、自信のなさが透けて見えている気がします。口下手な私でも、面接官に「この人と働きたい」と思ってもらうにはどうすればいいでしょうか?
三木佳世子さんの回答:「話し方」より先に、言葉以外の情報を味方につけよう
転職活動の面接で、「もっと上手に話せたら……」と悩んでいる方はとても多いものです。
自己PRを準備して、想定質問も練習して、それでも本番になると緊張してうまく話せない。言葉がつかえたり、棒読みになったりして、「ああ、また印象に残らなかったかもしれない」と落ち込んでしまう。そんな経験がある方も少なくないのではないでしょうか。
でも、まずお伝えしたいのは、面接の結果を左右するのは「話の内容」だけではないということです。
面接官は、あなたの言葉だけを聞いているわけではありません。
どんな表情で話しているか
どんな声のトーンか
どんな姿勢で座っているか
目線はどう動いているか
話す前の一呼吸や、うなずき方、間の取り方
これらすべてを含めて、「この人はどんな人か」を感じ取っています。
私はこれを「ノンバ(非言語)」と呼んでいます。
人は言葉以上に、その人の雰囲気や存在感から膨大な情報を受け取っています。どれだけ立派な自己PRを準備しても、表情がこわばっていたり、視線が泳いでいたりすると、「自信がなさそう」「一緒に働くイメージが湧かない」と受け取られてしまうことがあるのです。
逆に言えば、口下手でも大丈夫。むしろ、話すことに自信がない人ほど、ノンバを味方につけるだけで印象が大きく変わります。
私はこれまで1500人以上の方をサポートしてきましたが、ここぞ!という場面で差がつくのは、話の上手さよりも伝わり方です。
面接官が見ているのは、「完璧に話せる人」ではありません。「この人と一緒に働けそうか」「安心して仕事を任せられそうか」という、一緒に働く未来です。
自分をよく見せる(盛る)のではなく、「この人なら信頼できそう」「感じがいい」「丁寧に仕事をしてくれそう」という印象を、言葉とノンバの両方から伝えること。
面接は、話術の勝負ではありません。その視点に切り替えるだけでも、気持ちはかなり楽になるはずですよ。
あなたが「どう見られたいか」を整理し、それに合わせてノンバを整えること。それだけで、面接はぐっと戦いやすくなります。
ここからは、面接で「この人と働きたい」と思ってもらうための、具体的なノンバ戦略をお伝えします。
口下手でも「この人と働きたい」と思われる、5つのノンバ戦略
面接でまず意識してほしいのは、「何を話すか」より前に、「どんな印象を与えたいか」を決めることです。
ここが曖昧だと、話す内容ばかりを気にしてしまい、表情も声も姿勢もバラバラになってしまいます。
一方で、「私は面接官に、丁寧で信頼できる人だと思ってもらいたい」と意図が明確になると、自然と振る舞いが変わってきます。
「何を言うか」ではなく、「どう伝わるか」から逆算してみる。そのためにまず、面接の前にこの一文を埋めてみてください。
ここが定まると、表情・声・姿勢・言葉遣いのすべてに統一感が出ます。
その上で、具体的な5つのポイントを意識してみましょう。
1.表情:無表情は一番損をする
面接で最も損をしやすいのは「無表情」。
本人は真剣でも、無表情だと相手には「不機嫌そう」「興味がなさそう」と映ることがあります。
ポイントは、入室・最初の挨拶・退室のときだけ、口角をほんの少し上げること。
ずっとニコニコする必要はありません。「聞いています」という意思が伝わる、穏やかな表情が信頼感につながります。
2.リアクション:「聞き方」も評価されている
面接は話す場だと思われがちですが、実は「聞き方」も見られています。
質問を受けたときに、相手の目を見て小さくうなずく。「はい」「ありがとうございます」と、ワンテンポ置いて受け取る。質問を聞いた瞬間、すぐに答えようとせず、まずは相手の言葉を受け取る。
このリアクションや一拍があるだけで、落ち着いて見えますし、「コミュニケーションが取りやすい人」という印象になります。
3.姿勢:話しやすさは身体で変わる
緊張すると体は縮こまりやすく、呼吸が浅くなり、声も出にくくなります。
つまり「緊張して話せない」 のではなく、「縮こまった身体が話しづらさをつくっている」ことが多いのです。
椅子には浅めに座り、骨盤を立てて、頭が天井から軽く引っ張られているイメージで。
肩はストンと落とし、両足は床につけ、手は組まず、軽く重ねる。
姿勢を整えて呼吸を深くするだけで、声に芯が出て、言葉が届きやすくなります。
4.声:内容より「声」で損をしている
面接で落ちる人の多くは、「内容」ではなく「自信のなさそうな声」で評価を下げています。
具体的には、
語尾が消える
語尾が伸びる
早口になる
抑揚がなくなる
この4つです。
例えば事務職では、「派手さ」よりも「安心感」が重視されますよね。それなら無理して元気に話すより、 少し低めで落ち着いた声のほうが、圧倒的に信頼されます。
コツは、一文を短く切ること。「結論から話し、1〜2文で区切る」ことを意識し、語尾を消さずに言い切るだけで、誠実さが伝わります。
「私は前職で、営業事務として受発注管理を担当していました」
「特に意識していたのは、ミスを防ぐための確認の徹底です」
このくらい短くするだけで、ぐっと伝わりやすくなります。
5.視線:「見すぎない」がちょうどいい
視線は、自信と誠実さを伝える最重要ポイントの一つ。ただし、ずっと見続ければいいわけではありません。
おすすめは、「話し始め」と「話の結び」で相手を見ること。途中は少し視線を外しても問題ありません。
目を合わせる → 少し外す → 戻す。視線を泳がせず、このリズムを意識するだけで「逃げていない」という誠実さが伝わります。
完璧に見続ける必要はありません。大切なのは「逃げていない」と伝わることです。
緊張は、その面接を「大事にしたい」と思っている証拠
最後に、面接に向き合うあなたに大切なことをお伝えします。
それは、「緊張を消そうとしなくていい」ということです。
ここ、多くの人が勘違いします。
緊張してはいけない、落ち着かなきゃ、堂々としなきゃと思うほど、身体は固まります。
でも、緊張は悪いものではありません。それはあなたが「この面接を大事にしたい」と思っている証拠です。
問題なのは、緊張そのものではなく、それを隠そうとして、身体が不自然になること。
だから面接前は、
深呼吸を3回する
肩を上げて、ストンと落とす
口角を少し上げる
「うまく話す」ではなく、「丁寧に伝える」と言い換える
これだけで十分です。
面接は、完璧な自分を見せる場ではなく、安心して一緒に働けそうな自分を伝える場です。
口下手でも大丈夫。実績が普通でも大丈夫。あなたの価値は、派手なエピソードだけで決まりません。
「この人と働くと、きっと安心できそう」そんな印象は、今日からでもつくれます。
まずは、次の面接でひとつだけでいいので、意識してみてください。
ノンバを味方につければ、あなたの面接はきっと変わり始めます。
【書籍情報】口下手でも選ばれる人がやっていること/三木佳世子著
『クローズアップ現代』『NHKスペシャル』などを担当した元NHKディレクターが、2000人以上の取材で気づいた「言葉以上に相手に届く非言語の力」を伝授。
近年の言語化ブームの中で、「うまく言語化できたのに伝わっていない」と悩むすべての人へ贈る、実践的な一冊です。
面接や仕事、人間関係など、あらゆる「選ばれたい場面」で役立つ非言語力(ノンバ)を、わかりやすく具体的に解説しています。
「何を話すか」ではなく、「どう伝わるか」。存在感が記憶に残る。
その視点を持つだけで、コミュニケーションは大きく変わります。
気になる方は、ぜひチェックしてみてください!
『働く女性の転職Q&A』の過去記事一覧はこちら
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