「年収アップ転職」に成功する女性、失敗する女性の違いとは? 転職活動前に確認すべき3つのポイント

仕事をしている女性であれば、自分の収入や貯金、保険や税金のことなど、お金のことで一度は悩んだことがあるはず。そこでこの連載では、女性から大人気のファイナンシャルプランナー・高山一恵さんに、読者の皆さんから寄せられたマネーのお悩み相談に乗っていただきます! 自分のお金を賢く貯める・増やす・使う術を学びましょう
マネーマネジメントコーチ、DCプランナー
高山 一恵(たかやま・かずえ)

お給料が伸び悩む中、転職して少しでも収入アップしたいという女性の相談は増えています。ただし、転職して必ず収入アップするかというと、必ずしもそうではありません。では、年収アップできる転職とそうでない転職、その差はどこで生まれるのでしょうか?
年収アップしたいなら、これまでのスキル・経験を活かした同業種転職!
これまで相談にいらした方の事例を振り返ってみると、年収アップ転職に成功したケースで多いのが、「同業種への転職」です。同じ業界の取引先の人に日ごろの仕事ぶりを認められ、ヘッドハンティングされたというケース。営業職の女性だと、取引先の方と仕事をする機会が多いので、引き抜きも多いようです。
また、同業種の中でも成長中のベンチャー企業に転職して年収アップしたという人もいます。ベンチャー企業は知名度が低く求職者に認知されていないケースがあるため、大手企業よりも高い給与を提示して優秀な人材の獲得に力を入れているところがあるのです。そういったベンチャー企業から声がかかって転職し、前職より年収が1.5倍上がった相談者の方もいらっしゃいました。
さらに、年収アップ転職ができる人は「人脈が豊富でコミュニケーション上手」という共通点があると感じます。営業職のように常に外に出る仕事をしていない人でも、自主的に異業種交流会や仕事に関わる勉強会に参加して人脈をつくっている人は、そこから転職につなげているケースが多いのです。
小手先の転職ノウハウがあるかどうかよりも、いかに日々の仕事で成果を出し、社外の人にもそれを認知されているかが大切ということですね。
「上司が嫌いだから」、「もっと良い職場があると思うから」……
漠然とした転職理由では年収アップは望めない
ただ、「自分にヘッドハンティングなんてないだろうなあ」と感じていらっしゃる人もいるでしょうね(笑)。
一般的には、企業の採用ページや転職サイトなどから応募をして、転職活動をする人がほとんどだと思います。そういった転職方法で年収アップに成功している女性たちのケースを見ていると、やはり共通点があります。
それは、
【1】なぜ転職したいのか
【2】転職した結果、どうなりたいのか
【3】転職時に譲れない条件は何か
が明確だということです。自分の今までのキャリアの道筋をしっかり整理し、転職先の企業で役立てることができる自分のスキルが何なのか、明確にプレゼンできるようにしておく必要があります。
転職を希望している女性によくあるのが、「上司が嫌いだから」、「もっと良い職場があると思うから」、「今のお給料が安いから」という理由です。でも、複数の人が同じ組織で働いている以上、100%快適な環境で働けるということはほとんどありません。お給料が安いのも、仕事ぶりによっては「正当な評価」かもしれません。何となく今の状況から抜け出したいという漠然とした理由では、年収アップ転職どころか、転職活動自体がうまくいかないでしょう。
転職で年収を上げたいなら、まずは「転職の目的」など自分の価値基準を整理するところから。そして、その1つが「収入アップ」なのだとしたら、企業としっかり交渉できるように自分のアピールポイントをまとめておきましょう。
年収交渉で「いくらでもいいです」は絶対NG!
実際、中途入社をする時には企業と年収交渉を行うものですが、「お金のことについてがっついているように見せたくない」という意識から、「いくらでもいいです」と言ってしまう女性は多いのです。でも、「譲れないこと」はしっかり伝えなければダメ! せっかく転職したのに入社してから後悔するくらいなら、事前にちゃんと意思を伝えておくほうが懸命ですよ。
最後に、収入アップができて、やりたいことができて、働き方も改善されて、人間関係も良くなって……そんな、全ての希望が叶う「パーフェクト転職」ができるケースはほとんどありません。だからこそ、「収入アップ」以外に何が譲れないのか、何なら譲ることができるのか、譲歩できるポイントも考えておきたいものです。
自立して稼げる女性が幸せになれる時代です。収入アップ転職を是非成功させてくださいね!