「幸せに働く」を叶える3つの条件とは? 6人の女性が語った収入と仕事のベストバランス
仕事が楽しければ、収入が低くても幸せ? 収入が高ければ、忙しくても幸せ…? 幸せに働く「ベストバランス」は、意外と分からないもの。
そこで、Woman typeは会社員、フリーランス、副業・兼業、産休・育休などさまざまなキャリアを経験してきた6人の女性にインタビューを実施。
収入の増減や、働き方や仕事内容、昇進・昇格など社内ポジションの変化が、女性たちの幸福度に与える影響を探った。
編集者 天野夏海さんのベストバランス
現在「8割会社員・2割フリーランス」という働き方を実践する天野夏海さん。
人材系企業で営業、編集職を経て、海外留学・ワーキングホリデーへ。
帰国後はフリーランスの編集者・ライターとして活動し、今の働き方に辿り着いたという。
天野さんの年収・幸福度の相関グラフは、収入が最も少ない時期に、幸福度が最も高まっているのが印象的。やりたかった編集の仕事に就いてから、年収も幸福度も伸び始めた。
天野さんの幸福度を左右するものとは……?
キャリアアドバイザーえさきまりなさんのベストバランス
女性のためのキャリアスクールを運営するSHE株式会社でコミュニティーマネジャーとして働く傍ら、キャリアアドバイザーとしても活躍しているえさきまりなさん。
短大卒業後、自動車ディーラーの事務職、エステティックサロンの店長を経て、人材系企業に転職し、キャリアアドバイザーの道へ。
「キャリアアドバイザーの仕事は天職」と話すえさきさんの幸福度は、得意な仕事を武器に職場で評価されるようになってから上昇。
年収も、幸福度も引き上げた“天職”との出会いはいかにして訪れたのか。
人生を祝うプロデューサー・オア明奈さん
現在、「人生を祝うプロデューサー」として、フリーランスで働くオア明奈さん。
中小企業支援のコンサルティングファームに新卒入社して7年間働いた後、オーダーメイドウェディングなどを手掛ける株式会社CRAZYに転職。
同社でプランナーや新規事業の責任者などのポジションを経て、現在は独立を果たした。
年収は減ったけれど、スタートアップ転職を機にオアさんの幸福度は上昇。プランナーの仕事に運命を感じ、熱狂しながら取り組んだ。
「忙しさも苦にならなかった」とスタートアップで過ごした第二の青春の時を振り返るオアさん。彼女が気づいた幸せの条件とは。
広報・人事 中澤理香さん
中澤理香さんは現在、小売企業のEC立ち上げをサポートするIT企業・株式会社10Xで広報・人事として働く一方、副業で広報支援などの仕事も行っている。
mixi、Yelp日本支社、メルカリというメガベンチャーを経て順調にキャリアを重ね、いまや敏腕広報としてその名を知られるようになった中澤さん。
実は、20代半ばに「自分の専門性が分からない」という悩みから、一度目の退職を選択している。
最初に会社を辞めた時には、年収も幸福度も底まで落ちたが、その後はいずれも右肩上がりに上昇。
この底付き体験が彼女にもたらしたものとは一体何だったのか。
IT企業勤務・育休コミュニティ主宰 栗林真由美さん
IT企業に勤めながら育休コミュニティ『MIRAIS(ミライズ)』を運営する栗林真由美さん。
現在は二児の母として仕事と育児を両立しているが、第一子を妊娠した時には、育休でブランクができることに大きな不安に襲われたと明かす。
実際、第一子の妊娠が発覚し、妊娠自体は喜ばしいことだったが、キャリアへの不安から幸福度は一時的にダウン。
「一時的な年収ダウンは、幸せを掴むためのチャレンジ代」と話す栗林さんの真意とは?
カスタマーセールス 五十嵐夏菜(かなきゃん)さん
クラウド人事労務ソフトを提供するSmartHRでセールスとして働いている五十嵐夏菜さん。
“かなきゃん”の愛称で親しまれる彼女は、元アイドルであり、元iPhoneを日本で一番売った販売員であり、元エンジニア。職業、職場を転々としてきた彼女だが、実はそこには彼女なりの軸がある。
彼女の幸福度が最も上がる時は、「今しかできない挑戦」「自分にしかできない仕事」ができていると確信できたときだ。
どのように、自分を幸せにするチャンスとポストを引き寄せてきたのだろうか。
6人のインタビューに見る「幸せに働く」叶える共通点3つ
上記で見てきた通り、キャリアの転機、収入のアップダウン、幸福度の変化は人によって全く違う。何を幸せとするかは、人それぞれだ。
しかし、今回特集に登場した6人の女性たちが語った内容には、共通点もある。
それは、下記の三つだ。
1.十分な収入は幸せに生きるための必須必要だが、年収アップと幸福度アップは必ずしも比例しない
2.天職との出会いは幸福度を高める。また、天職との出会いは年収アップにもつながる。
3.幸福度アップの背景には、必ず、自己決断がともなう。図らずも訪れた転機ではなく、自分の意思でつくった転機が、後の幸福度アップにつながる
こう見てみると、転職したり、独立したり、あるいは休職したりしばらく仕事から離れたり……ちょっぴり勇気のいる決断も、少し怖さがなくなるかもしれない。
その決断が、自分で考えくだしたものであれば、収入や社会的地位を一時的に失ったとしても、不幸になるどころか幸福度は向上し、後にさらなるキャリアの飛躍すらもたらすことがある。
ときには、右肩上がりの人生を降りることがあってもいい。短期的に見れば失ったと感じることも、長期的に見たらもっと大きなリターンを得られることもある。
立ち止まったり、失敗したり。凸凹な人生もいい。さまざまな経験を通して自分の感情を知り、天職と出会い、幸せに働き続けるためのベストバランスを見つけてほしい。
文/栗原千明(編集部)
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