「私、チームに必要ない……」そんな孤独を救う、“ヘルシーな”貢献感/週末北欧部chikaのフィンランドおしごと日記

【週末北欧部 chikaさん連載】
フィンランドおしごと日記

北欧好きをこじらせたchikaさん。会社員生活を経て、ついに憧れのフィンランドで寿司職人としてのキャリアをスタート! ワークライフバランスや男女平等の先進国ともいわれるフィンランドでの、リアルなおしごと事情を紹介します

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【前回のお話はこちら】

「からっぽの日も必要なんだ」人それぞれのホリデーのつくり方/週末北欧部chikaのフィンランドおしごと日記

週末北欧部chika
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ヘルシーな貢献感があると、失敗の捉え方も変わる

編集部

自己犠牲によって「役に立っている実感」を得ようとしてしまう……。

経験が浅かったり、成果が出なかったり、仕事に自信が持てないときほどおちいりやすい状態ですね。

chikaさん

お寿司のスキルも語学力も不足していると思いがちな私にとって、そこを労働時間でカバーすることによって貢献感を得ようとするのは、安易で危うい選択でした。

実際、早朝や深夜のシフトでも「よろこんで!」とお返事してしまうこともあって……。

編集部

「それで役に立てるなら!」という一心だったのですね。

chikaさん

こうした貢献感が長続きしないことは過去の経験から学んでいましたし、実際、心身ともにさらに余裕がなくなって、自分の仕事で精いっぱい……という負のループにおちいってしまった時期がありました。

編集部

そんな負のループからどうやって抜け出したのですか?

chikaさん

「調子はどう?」「緑茶どうぞ!」と、気遣って声を掛けてくれる仲間たちに助けられましたね

私も同じように、気軽に声を掛けたり、お茶やおやつのお裾分けをしたりなど、ちょっとした貢献を意識するようになって。

その結果、チームへの所属感が上がっていくのを実感しました。

編集部

声を掛けたり掛けられたり。その積み重ねがチームの心理的安全性につながるのかもしれませんね。

chikaさん

チームの心理的安全性は、きっと自分の気持ち次第でも変わるのだと思います。

チームに貢献できていなかったり、所属感が低くなってしまったりしているとき、私は小さな失敗も「めちゃくちゃ失望されたのでは……」と大げさに捉えがちで。

でも、ヘルシーな貢献感があると、「次に挽回しよう!」と自分の捉え方が変わるんです。

周りが変わったわけではないのに、面白いなと思います。

編集部

仕事で成果を出すことはもちろん大切ですが、「チームへの貢献」という観点で考えれば、新人であっても、仕事の調子が悪くても、それぞれができる「ヘルシーな貢献」はいろいろありそうですね。

それはチカさんが大事にしている「ありのままを価値あるものに」という考え方にも通じそうです。

chikaさん

そのためにも、自分自身がヘルシーな状態でいることが大切だと改めて気付きました。

自分が優しく、軽やかな気持ちでできる範囲でのチームへの貢献を、これからも大事にしていきたいですね。

chikaさん最新書籍

週末北欧部chikaのフィンランドおしごと日記

世界ともだち部(講談社)
chikaさんに喜びとひらめきを与えてくれる「世界各国にいるともだち」とのエピソードをつづる、前向きフレンドシップエッセイ!

『世界ともだち部』には、例えばこんなともだちが登場します!

・「兄」「妹」と呼び合うフィンランド人のともだち・ハリネズミさん
・「こんな人になりたい!」と思い続けている心のヒーロー、ノルウェーの歌手5人組
・はじまりは一目惚れ!わたしの“はんぶん”だと感じる韓国人のともだち・キツネさん
・大学時代の寮で、眠れない夜に発足した「インソムニア部」
etc…

>>書籍の詳細はこちら

週末北欧部 chika

北欧好きをこじらせてしまった人。フィンランドが好き過ぎて12年以上通い続け、ディープな楽しみ方を味わいつくした自他ともに認めるフィンランドオタク。移住のために、会社員生活のかたわら寿司職人の修行を始め、ついに2022年春に移住。モットーは「とりあえずやってみる」。そんなこじらせライフをSNSアカウント「週末北欧部」にて発信中
Twitter:@cicasca / Instagram:cicasca

編集/天野夏海