ストレスフルな「職場の人間関係」をどう改善する? 働く女性322人に聞いた効果的な対処法5つ
前回のアンケート調査で、「職場の人間関係に悩んだことがある女性」が8割以上いることが分かりました。会社員にとっては誰にとっても身近かつ、ストレスフルなこの問題。
実際に人間関係が悪いと感じている場合は、どう対処したらいいのでしょうか?
20~30代の働く女性に普段実践していることや心掛けていることを聞いてみたところ、大きく5つのタイプに分かれました。
タイプ1
環境改善を試みる
「歩み寄りはしますが、何でも相手の考えに賛同するのではなく、こちらの意見などもしっかり伝える」(29歳/サービス・販売)
「よく話を聞いて理解しようと努力はする。陰口は一番嫌いなので、結局はっきり本人に思っていることを言ってしまう」(38歳/その他専門職)
「飲み会などは必ず参加し、そこで自分の評価、改善点などを聞く」(23歳/その他)
【相談しよう、そうしよう】
「尊敬できる上司に相談し、間に入ってもらう」(27歳/クリエイティブ)
「別の先輩ならばどのように対応するか相談する」(30歳/営業アシスタント)
悪くなったものを直そうと試みるのは当然のこと。自ら改善点を探すもよし、周囲を頼るもよし。人間関係に困ったら、まずはここから始めるのがよさそうです。
タイプ2
無駄な労力は使わない
「必要最低限のあいさつと仕事上の会話に徹し、意見に異を唱えられたら『そういう考えもありますね』で終える」(38歳/一般事務 )
「とにかく反発しないように、相手の話を流しながら聞いている」(29歳/その他)
「また始まったなーとスルーする」(25歳/その他)
【そして、女たちは考えるのをやめた】
「見ない」(39歳/一般事務)
「無になる」(26歳/一般事務)
「自分の中から存在を抹消する」(37歳/一般事務)
一番多かったのがこのタイプ。「極力期待しない。他人は変えられないので」(37歳/サービス・販売)という意見もあるように、何十年とその人格で生きてきた大人を変えるのは簡単なことではありません。いっそあきらめて無視するのも一つの手。
ただ、「自分の気持ちを無視すると余計ストレスが溜まることが分かったので、嫌だという感情を認めるようにしたら、嫌いな人とも少し付き合いやすくなった。自分の感情を否定しないことが大事だと思う」(31歳/営業)という声もありましたので、無理は禁物です!
タイプ3
不満をぶつける
「わざとみんながいる前で質問して、教えてもらえなかったことを伝えた」(31歳/インストラクター)
「上司をよく思っていない人達と共同戦線を張る」(38歳/一般事務)
「無理矢理話をする。嫌がられるぐらい話掛けて、本当に嫌がられたら勝ち」(27歳/その他)
【この不満を発散させて~】
「笑顔で対応し、心の中で『うぜー、まじ死ね! 会社つぶれろ』と叫んで発散。Excelに愚痴を書き込む(人に見られそうになったらすぐ最小化、ファイルはパスワード付き暗号化して厳重管理してます)」(30歳/テクニカルサポート)
「とりあえず周りの同僚や先輩に愚痴る」(36歳/その他)
タイプ2のようにスルーできればいいですが、あまりに度が過ぎると時には受け流せないことも。嫌いな相手に対して逆襲を挑む派と、愚痴として吐き出す派に分かれましたが、「プライベートな話もしていた仲の後輩に嫌いな上司のことを話していたら、その後輩は実はすごくおしゃべりで、上司に筒抜けになっていた」(26歳/サービス・販売)なんて人もいたので、不満を言う相手はしっかり見極めましょう。
タイプ4
自分を変える
「話をしなければいけないときは、あえて自分の困っている話や不幸な話をして、相手に同情してもらい、あなたより下ですということをアピールする」(30歳/一般事務)
「苦手な人には、その人を基本的に気持ちよくさせることを考えて接する」(27歳/一般事務)
【行動をチェンジ!】
「怒っているときは、関わらないようにして、落ち着くのを待ちます。怒っているときに仕事の相談をしても、きちんと対応してくれないと思うので」(31歳/一般事務)
「身近な人だけでなく、他部署の人にも一言声掛けするように習慣付けた。浅くても、広く知り合いがいるな、と思わせるのが会社では強みになると思う」(36歳/一般事務)
【考え方をチェンジ!】
「人生の中で数年しか一緒にいないと前向きに考える。いつでも明るく対応する。笑顔を見せて、怒る人はいない」(27歳/営業)
「ひたすら笑顔で素直に話す。仕事を覚えたころに、仕事を通して信頼関係ができると信じている」(37歳/その他専門職)
相手を変えようとするのではなく、自分が変わることで関係性を円滑にする。なんと大人な対処法なのでしょう……! 明らかに相手に問題がある場合、つい「なんで私が変わらないといけないの!」なんて思ってしまいがちですが、「はいはい、私の方が大人ですからね」なんて優越感を抱きながらこれらの対処法をマネできたら、対人関係のストレスはグッと減りそうです。
タイプ5
自分の仕事とキャリアを優先する
「こういう人もいるんだと自分に言い聞かせ、命令される前に仕事を終わらせるようにして、何も言わせない環境をつくりました」(22歳/サービス・販売)
「仕事をミスしないようにして、上司を頼らなくすることを徹底」(30歳/営業)
【冷静に状況を見極めるべし】
「成長が見込めれば、うまくいかないことがあっても適応するようにする。先がないと思えば、その場から去る」(29歳/コンサルタント)
「なるべく関わらないようにしていたが、仕事に支障が出るほどだったので異動させてもらった」(26歳/サービス・販売)
周囲の人間関係に振り回されることなく自分の仕事に邁進し、どうにもならないと思えば環境を変えることを考える。お手本にしたい、会社員としての本質的な対処法です。もちろん、仕事以外のことで相手に翻弄されることもありますし、異動も簡単なことではありませんが、この姿勢は忘れないように心掛けたいものです。
なお、実際に人間関係が理由で転職した人の意見として、「家やトイレで泣く」(29歳/医療・福祉)といった“涙を流す系”の傾向が見て取れました。
また、「こんな体験、誰にもしてほしくない。対処法としては、せっかく入った会社でも潔く辞める勇気も必要、ということでしょうか」(33歳/経理)という、過去につらい思いをした人からの助言も。もしも現時点で泣くほどつらい思いをしているなら、転職を考えるのが一番の対処法になることもありますね。
まだ現状を変える余地がありそうなら、ここに集まった働く女性たちが実践する生きた知恵を参考に、自分の状況と相手の性格に合わせて、臨機応変にしなやかに対処して参りましょう!
・【前編】職場の人間関係について働く女性に聞いてみたら、上司以上に●●との関係が険悪だった! 改善より「転職」を選ぶ女性も3割以上
・【後編】ストレスフルな職場の人間関係を改善するには? 働く女性たち322人に聞いた対処法5つ
【アンケート調査概要】
●調査方法:転職サイト『女の転職@type』の20代~30代女性会員へのWebアンケート
●調査期間:2016年9月13日~20日
●有効回答者数:322名
文/天野夏海
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